内容説明
こんなに豊かな世界があるのか。大正・昭和戦前期に開花した日本のアール・デコ建築。その時代に活躍した13人の建築家の歩んだ道をたどりながら、今なお輝きを失わない各地に現存する建物の見所を、建築家ごとに綿密な取材と豊富な写真を交えて解明する。
目次
アール・デコの建築家とは誰か
アール・デコ・の建築家の歴史的位置と役割―純芸術かエンターテインメントか
渡辺仁―アール・デコの精髄
宗兵蔵―晩年のアール・デコ
鈴木禎次―縦横無尽の造形
武田五一―造形を楽しむ
木下益治郎―タイルの魔術
国枝博―古典を素材とした濃密なアール・デコ
ウィリアム・メレル・ヴォーリズ―暖かい装飾的細部
中村順平―ボザール流アール・デコ
遠藤新―ライト風アール・デコの果敢な実践
本間乙彦―無頼派のアール・デコ
高橋貞太郎―細部に淫しないアール・デコ
清水栄二―アール・デコに託した実務家の才覚
村野藤吾―出発の、そして生涯のアール・デコ性
著者等紹介
吉田鋼市[ヨシダコウイチ]
1947年、兵庫県姫路市生まれ。1970年、横浜国立大学工学部建築学科卒業。1977年、京都大学大学院建築学専攻博士課程単位取得退学。1973~75年、エコール・デ・ボザールU.P.6および古建築歴史・保存高等研究センター在学(仏政府給費留学生)。横浜国立大学教授、同大学院教授を経て、同大学名誉教授。工学博士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ソバージュ
10
図書館本。大正末期から昭和初期に建てられた都市の主だった建物がアール・デコ的に建てられており、13人の建築家について著されている。直線的で重厚な当時の建築物が好みで日々目がいってしまうが、前著で取り上げられた渡辺仁の銀座和光や国立博物館などの建築物の掲載はなく、小さな白黒写真なのでいささか物足りなかった。2020/10/03
ムカルナス
6
ギリシャ・ローマ建築みたいな様式主義は荘厳だけど仰々しいしモダニズム建築はシンプル過ぎて良さが判りにくい。アール・デコは装飾が面白かったり可愛かったりでいい感じ~♪私が建築めぐりでいいなと思った建築家はほとんどアール・デコだった。アール・デコ建築は大正末期~昭和初期に流行、理念・主義・主張の芸術ではなく工芸や造形作家の実践的な活動の産物であり保守でも前衛でもなく中庸、建築を施主や建築家のものではなく使う人や見る人にとって心地よいものを目指す、らしい。だから素人の私にも判りやすいし惹かれるのか・・と納得。2016/12/10
月華
1
図書館 基本的な「アールデコ」が何なのかわかないことに読んでいるうちに気付きました。今では「保存対象」になるような昔の建物なのかな、と思いました。白黒の写真付き。2016/03/13
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