感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
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1970年代半ば、銀座の小さなクラブ「離婚倶楽部」が舞台。ここで上村一夫は、何も起こらないことを描く。主人公・夕子とバーテンダー・健との関係は深まりそうで深まらないし、ピアニストである元夫との緊張感も事件を生むほどのものではない。事故に巻き込まれるのではなく、いつも目撃する側で、火事すら店の遠くで発生する。ときおり挿入される統計データは、当時の世相を伝えるものだが、そのデータが示す多数派の中に登場人物達が生きていることで上村は、何も起こらない物語をさらに補強するのだ。(つづく)2021/10/23
龍國竣/リュウゴク
0
この作品は読みやすい。それは俯瞰ショットの多さの為もあるだろう。また、上村自身も作中に登場することから、作者すら超えた「神の視点」の模索が行われていた形跡もみられる。それを裏付けるように厚生省などから引用された客観的な数字のデータが挿入される。2014/03/24
緑虫@漫画
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艶っぽい女性を描かせたら世界一。ユーモアと哀感、緩急巧みな構成と、目の覚めるような鮮やかな画面割り。2013/04/28
RHINO
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「つりばりぞ そらよりたれつ まぼろしの こがねのうおら さみしさに さみしさに そのはりをのみ」各話の最終ページだけで画集作れる2013/04/18
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- 和書
- 膵臓の内視鏡外科手術