感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ジロリン
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COMの連載を、子供ながらに「当時の新宿」への憧れを抱きつつ読んでいた。いまこの作品を読んだ時に、どんな感想を持つのか知りたくて本書を購入。ある意味、時代を象徴する作品となってしまったために、どうしようもなく時代に寄り添った部分があるのは否めない。しかしなお、それを超えて人間というものが普遍に持つ感情、情動も確かに描かれていると思う。
龍國竣/リュウゴク
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新宿に生きるフーテンと呼ばれる人々の物語。人と人との繋がりが暖かい。そしてこの作品、主に休載前の分は勢いに溢れている。それに対して、休載後の話では、一人ひとりの人物により焦点を絞った描き方がなされている。出鱈目という言葉が似合う生活も今に通ずる。2012/07/04
いい日
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3時間で読了。基本、漫画は「読書メーター」に記さない方針なのですが、思うところあって。この当時の空気というものと、演出力と画風の特殊さが光っているように感じます。「青年は荒野をめざす」という小説を思い出しました。雰囲気が似ています。「ある角度から見たら老人に、ある角度から見たら若々しい女に見える」というオカマが出てきたように記憶していますが(表現はうろおぼえです)、「フーテン」のキャラクターが、コマによって目の描き方が変わるという表現は、それと似たような人間表現なのかも知れません。2011/01/27
吉田恭
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青林堂版を再読。1960-70年代のフーテンと現代のニートの間には、その社会との精神的な関わり方において、何か関係があるだろうか。2005/08/14