出版社内容情報
岡山市街地から東へ約30キロ、標高539メートルの八塔寺山中腹に日本の原風景ともいえる集落がある。十数軒の民家と二つの寺、神社、郵便局があり、小さいながらも村の形体をとっている。この風景に魅せられた著者は、6年間通い続け、八塔寺村の四季折々の姿を写真におさめてきた。その膨大なフィルムの中から51点を選びまとめた写真集。山腹の静かなたたずまいは、世の中の流れに逆らいながら存続し、それだけにいっそう魅力を感じさせる。周囲を歩いても30分とかからない小さな村落だが、季節をとわず訪れてみたい誘惑にかられる。
春1 桜花に映える茅ぶきの農家2 春色の中の茅ぶき屋根3 桜と柳の新緑に茅ぶきが映える4 春景につつまれる高顕寺5 春色に彩られる八塔寺と高顕寺6 夕日に映える八塔寺村の春7 水車小屋の光と影8 桜花に彩られる茅ぶきの屋根9 新緑に萌える八塔寺村10 緑深まる夏11 金鶏菊に彩られる初夏12 田植えのころ13 崩れゆく小屋の趣14 たんぼの水面に八塔寺山を映す15 黄緑の苗に茅ぶきの家が映える16 稲も緑をまし茅ぶきの家をかこむ17 日陰の農夫18 盛夏、行雲が映える19 晩夏となれば雲にも秋の香り20 通り雨のあと、大門に虹がかかる21 高顕寺の屋根が夏の竹やぶに映える秋22 こがね色の田んぼを彼岸花が縁取る23 コスモス、彼岸花が八塔寺村を彩る24 廃屋に秋が訪れる25 彼岸花に色めく茅ぶきの廃屋26 石地蔵の初秋27 農作業に勤しむ老夫婦28 山あいに稲刈り機の響き29 大地には秋の稔り、秋には秋の雲30 高顕寺の前、そばの花31 中秋の名月と残照の白壁32 八塔寺村は秋のふるさと祭り33 茅ぶき農家の紅葉と八塔寺の落葉34 八塔寺の銀杏が色づく35 八塔寺境内の紅葉と銀杏の落葉36 夕日に映える紅葉37 夕日に影を落とす水車小屋38 老婦人の笑顔が夕日に映える39 天門の夕日40 残照の紅葉に満月が上がる冬41 夕日に映える三国東小学校校舎の跡42 夕日輝く廃屋43 うっすらと雪におおわれる八塔寺村44 雪の中に立つ茅ぶきの家45 三國郵便局46 日吉神社47 白銀におおわれる茅ぶきの家々48 雪と天門の夕日49 農家の冬50 高顕寺の厄除大護摩供養51 煙、炎、火の粉
岡山県には「ふるさと村」に指定されている七つの村落があり、いずれも辺鄙(へんぴ)な田舎や離れ島にある。 その中でも県南の吉永町(現在は備前市に編入)にある「八塔寺ふるさと村」には山村特有の情緒とともに、残された古い茅ぶき屋根の家があり、過ぎ去った時代への憧憬をいだかせてくれる。 この村以外にも茅ぶきの家がわずかに見られる里山もあるが、八塔寺には比較的多く、今でも農家として使われている数軒の茅ぶきの家がある。その立地条件もさいわいして、なにものにも替えがたい魅力をかもしだしている。 村の周囲を歩いても三十分とかからない小さな村落であるが、季節をとわず訪れてみたい誘惑にかられるのが八塔寺村である。(「まえがき」より)
内容説明
古い茅ぶき屋根の家が、過ぎ去った時代への憧憬をいだかせてくれる。八塔寺村の四季折々を切り取った写真集。
著者等紹介
河野宏[コウノヒロシ]
国立岩国医療センター、倉敷リバーサイド病院名誉院長。昭和6年/岡山県津山市生まれ。昭和32年/岡山大学医学部卒業。昭和33年/岡山大学医学部第一内科入局。昭和41年/ドイツ・マールブルク大学内科に二年間留学。昭和48年/香川大学教授。昭和62年/国立岩国病院(現国立岩国医療センター)院長。平成9年/同定年退官、名誉院長。川鉄水島病院(現倉敷リバーサイド病院)院長。平成15年/倉敷リバーサイド病院名誉院長。専門/内科、特に肝臓病学。受賞歴/平成17年「瑞宝中綬章」受章(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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