上代淑の言葉の足跡 - 掲載記事のデジタル化の試み

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A5判/ページ数 499p/高さ 22cm
  • 商品コード 9784860691332
  • Cコード C0095

出版社内容情報

開学間もない岡山の山陽英和女学校(現山陽学園)に着任して以来、昭和34(1959)年に88歳で亡くなるまでの約70年間、山陽女学校で教鞭をとった上代淑氏(かじろ よし)。岡山の女子教育に力を尽くした人物である。「山陽学園新聞」『みさを』『塾報』などに彼女が執筆した原稿を基に、時代を超えた「教育者・上代の言葉」を編纂。

第一章 デジタル化の概要
第二章 掲載記事のデーターベース化
    ― 『みさを』 『塾報』 「山陽学園新聞」 の整理と 「上代の掲載記事一覧表」 の作成―
 第一節 整理以前の 『みさを』 『塾報』 「山陽学園新聞」
 第二節  『みさを』 『塾報』 「山陽学園新聞」 の解題と変遷史
 第三節  『みさを』 『塾報』 「山陽学園新聞」 の整理
 第四節 作成した年表と 「上代の掲載記事一覧表」
第三章  「上代の掲載記事一覧表」 の活用例
 第一節 一覧表の活用見本
 第二節 一覧表 「■語られた場面」 の集計
 第三節 生涯を通して語られた言葉
 第四節 欧米教育視察

  『みさを』 『塾報』 「山陽学園新聞」 に掲載された上代淑先生の言葉の調査にとりかかったのは、 今から十三年前のことです。 各機関紙に上代先生の言葉が掲載されていましたが、 約二百四十冊ある未整理の資料の中から、 必要な記事だけを見つけだすのには時間と労力がかかり、 加えて年代順になっていないため、 言葉の変遷をたどることもできない状況でした。 掲載記事を読んでいるうちに、 上代先生が語った言葉は時代を超え、 今でも私たちの心を打つものであり、 むしろ今だからこそ大切な言葉のように感じ始め、 一人でも多くの方に先生の言葉を伝えたい、 そのためには先生の言葉を一つにまとめられないだろうか、 と思ったのです。 そこで、 延べ二百編におよぶ記事を抽出しパソコンに入力した後、 印刷、 製本すれば先生の言葉を一冊の本のように通して読むことができるようになり、 今までのような時間と労力をかけずに目的の記事にたどりつくことができるのでないか、 と考えました。 これまでにも何人かの研究者たちが私と同じように、 上代先生の記事を一冊にまとめようと試みた原稿が上代家文庫には残っています。 当時はまだ手書きで一字一句間違いなく写すのはかなり時間と労力、 根気を要したのでしょう、 どの研究者たちも途中で断念しています。 事実私も、 当時に比べれば入力作業が容易になったとはいえ、 入力だけで六年という年月がかかりました。 その間、 先人たちと同じように何度も諦めかけそうになりましたが、 この作業が完成したら、 上代先生のことをもっと深く知ることができるのではないか、 私なりに上代先生を感じることができるのではないか、 たとえ時間がかかってもやらなければならない、 と思い直してパソコンを使って入力し続けました。
 今まさにデジタル化の時代になり、 当初予想できなかった新たな試みがパソコンを用いて可能になり、 この度の出版方法として、 本ではなく CD-ROM を用いることも考えられました。 本書のタイトルに 「デジタル化」 という言葉を使っていますが、 出版方法は本というアナログ媒体を用いています。 私が本としての出版にこだわったのは、 二つ理由があります。 一つには、 最初に決心したように、 一人でも多くの方に読んでいただきたいと思ったからです。 そのためには、 パソコンの有無に関わらず、 いつでもどこででも読むことができる本の方が適していると考えました。 いま一つには、 各機関誌と同じ活字化する方が、 行間にこめられた上代先生の思いをより伝えることができるのではないか、 と考えたからです。

岡山の女子教育の先駆者・上代淑が書き残した言葉の足跡を追う。

最近チェックした商品