出版社内容情報
十五年戦争の問題を調査してきた同センターの会員による総動員に関する論考集。庶民は、平穏に暮らしたいという願いや、将来へのささやかな希望さえも、「私的な」ものとして封じられ、戦争遂行にもっとも有効に運用するための資源として「総動員」された。本書は、庶民が戦争遂行のために実にさまざまなシステムに組み込まれ、自らの生活苦に耐えながらも与えられた場で懸命に生きたことを示す一方で、戦争遂行システムのなかで庶民が懸命にいきるということは戦争を支える役割を果たすことにもつながったことを明らかにしている。
1 国内での動員 2 海外への動員 3 海外からの動員 4 精神の動員 5 物資の動員
「総動員」とは「国家総動員法」や「国民精神総動員運動」にもとづくもののほかに、徴兵や満蒙開拓団、朝鮮人、中国人の強制動員まで含めている。戦争期に生きた庶民の一人ひとりが自らの肉体と精神と物資の三重の「動員」を受けたという事実は、調査者にとって見過ごしにできない問題であり、現代的課題であった」(前文から)
終戦後60年を迎え、改めて戦争と戦争がもたらす市民生活への影響を教えてくれる一冊です。
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