内容説明
災害と福祉は、従来それぞれ独立した研究領域として扱われてきたが、大規模災害の経験は、両者が被災者の生活再建という一点において不可分に結びついていることを明らかにした。被災後に立ち現れる現実は、突発的に生じるものではなく、災害前から存在していた格差や不平等が、災害という契機を通じて可視化され、場合によっては拡大される過程として理解される。本書は、この結節点を「交差点」と捉え、災害と福祉を横断する視角から社会的脆弱性と支援のあり方を検討するものである。(本書序章より)
目次
序章 災害関連死はなぜ上振れしたのか―社会基盤×行政基盤の二重脆弱性からの社会学的考察―
第1部 理論と実践の再定義(Practitioner‐researcherという幻想―ソーシャルワーク実践の学知化は支援現場に何をもたらしたのか―)
第2部 可視化される脆弱性(地域コミュニティレベルでの安全・安心―見えないものを測る尺度開発による要因分析と効果測定―;令和6年能登半島地震による珠洲市のマクロ経済への影響に関する定量分析)
第3部 現場からの知(家族をめぐる語りの断片―語られないことは何を物語るのか―)
第4部 実装と「誰一人取り残さない」支援の未来(地理情報を活用した地域「通いの場」の適正配置に関する研究―岡山県瀬戸内市の介護予防教室を事例として―;脆弱性の高い人たちを対象とした研究における参加型アクションリサーチの有用性―フィリピン帰国女性たちとの調査事例を基に―;恒久住宅への移行と主観的なすまい再建の達成との関連)



