内容説明
『骨董屋』『ハンフリー親方の時計』『バーナビ・ラッジ』などを執筆・連載し、人気作家としての評価を確固たるものとする時期の、出版業者や挿絵作家との遣り取りも興味深い700余通の書簡を収める。
著者等紹介
田辺洋子[タナベヨウコ]
1955年広島県に生まれる(現在、広島経済大学教授)。1999年広島大学より博士(文学)号授与(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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のっち♬
106
『骨董屋』『バーナビ』期は社交範囲拡大が加速。暗澹たる前者執筆時の精神状態は存外快活で、反響の英米間の落差は旅行へ駆り立てた一因かも。一方、頻繁になった父親の不品行と体調不良の影響なのか感情的な文面が増えてきた。ワタリガラスの死を嘆いて毒殺を疑うかと思えば、"家出したい"や名づけ子の死にフォースターは"嘆き過ぎ"と非情なことを言ったり双極的性向が垣間見れる。ネルの死は決めてから義妹を想起すべく努力した点や、かけられるのは嫌でも催眠術に興味ありそうなのも印象的。誰彼なく金を融通した反省は慈善にも活かされた。2023/09/07
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- 和書
- しあわせが、はじまる。