内容説明
チェルノブイリ原発事故直後に発刊され、ヨーロッパのみならず世界中に衝撃を与えたウルリッヒ・ベック『危険社会』を嚆矢とするリスク社会論の視点から、フーコー権力論に端を発するガバメンタリティ論も援用しつつ、リスクの構築性や政治性を、理論および尖閣諸島問題等の具体的事例の両側面から分析。
目次
第1章 概念としてのリスクとリスク研究の学際性(リスクの語源;学術的な概念化の起源;リスク研究の学際的広がり)
第2章 リスクの不確実性と不確実性のリスク―国際的科学評価というサブ政治(不確実性、サブ政治、ガバナンス;ICRPの成り立ちとその基本勧告;ICRP勧告にみる科学のサブ政治)
第3章 リスクの再調整と日本国民の統治―国境を越えることと国家の役割(リスクを(再)調整すること
国境を越えることとリスク
リスクと責任)
第4章 日本のリスキーな境界―領土主権と尖閣諸島のガバナンス(リスク研究の方法;背景―領有権係争;リスク)
第5章 支配的ディスコースにおけるリスク減衰―朝日・読売新聞における東電原発危機初期報道の比較から(理論的背景;原子力災害の経験的な背景―東電の役割;原発危機に関する初期報道―爆発の直前(3月12日朝・夕刊)
原発危機に関する初期報道―爆発の直後(3月13日朝))
著者等紹介
長島美織[ナガシマミオリ] [Hook,Glenn D.]
北海道大学メディア・コミュニケーション研究院准教授。現在の研究領域はリスク社会論および科学社会学。マサチューセッツ工科大学言語・哲学科博士課程修了。Ph.D.(Linguistics)
フック,グレン・D.[フック,グレンD.] [Williamson,Piers R.]
シェフィールド大学教授。ホワイト・ローズ東アジアセンター英国国立日本学研究所所長。専門は、日本政治および国際関係論
ウィリアムソン,ピアーズ・R.[ウィリアムソン,ピアーズR.]
北海道大学メディア・コミュニケーション研究院特任准教授。専門は、リスク社会論および国際関係論。シェフィールド大学東アジア研究博士課程修了。Ph.D.(East Asian Studies)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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