出版社内容情報
数学は、物理学・経済学・情報科学など、背景に数理構造がある現象を扱う学問に、それを表現するための言葉を提供してきました。数学を用いて現象を記述するのは、矛盾のない数学の構造を信頼しているからこそです。その数学に原理的にバグがあるよ、と指摘したのがゲーデルの不完全性定理です。数学で扱う命題の中には、正しいとも間違っているとも証明できないものが存在する、と主張するのがゲーデルが論文で証明した定理なのです。
現在の汎用コンピュータの原型を作ったフォン・ノイマンという天才がいます。「二十世紀最高の知性」と称されるノイマンが、人々からそう呼ばれるたびに「それは自分ではなくゲーデルのことだ」と返したといいます。かのアインシュタインも、研究所に行くのはゲーデルと一緒に散歩をするためだったと述懐していたそうです。
本書は、論理式(ゲーデル文)を体感してもらいながら、天才中の天才であるゲーデルの証明を、一歩一歩きちんと理解していく一冊です。
【目次】
内容説明
アインシュタイン、ノイマンも認める天才中の天才ゲーデル。不完全性定理は1931年にゲーデルが証明した数理論理学の定理です。この本は、不完全性定理の証明を、行間の飛びなく、詳しく解説した本です。この本を読むことで、天才の足跡を一歩一歩辿ってみませんか。不完全性定理は、相対性理論、量子力学と並んで、理解するためには認識の飛躍を必要とする理系分野の難解なテーマと言われています。しかし、心配はいりません。相対性理論、量子力学のような大学で習う数学、複雑な数式は出てきません。記号の決まりが理解できる人であれば、誰でも最後まで読み通せます。システムエンジニアの適性は、文系・理系を問わないでしょう。これと同じように、不完全性定理の証明を理解する資質は、文系も理系も関係ありません。不完全性定理は、哲学にも大きな影響を与えた論理学の定理です。不完全性定理は理系分野の難解なテーマの1つですが、文系の方にも興味を持ってもらい、この本で証明の理解に挑戦してもらいたいと願っています。正義とは何かという哲学的命題に関心がある方は、ゲーデルの第2不完全性定理(理論体系は、体系自身が正しいことを体系内では証明できない)を哲学的考察に役立てて欲しいと考えます。
目次
0 準備
1 命題論理
2 述語論理
3 NとPA
4 不完全性定理
5 再帰的関数
著者等紹介
石井俊全[イシイトシアキ]
1965年東京生まれ。東京大学建築学科卒、東京工業大学数学科修士課程卒。「大人のための数学教室 和」講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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