内容説明
“Imaginary number”直訳すると「想像上の数」が日本では「虚数」と名づけられました。「虚」という文字の持つミステリアスなイメージに良くも悪くも振り回されますが、その不思議な数の持つ魅力と威力は計り知れません。本書では「実数」についても詳しく考察しながら「虚数・複素数」の凄さに迫ります。
目次
第1章 虚数は本当にウソの数か?―ヒーローとしての虚数(虚数とはどのようなものか;実数の側の状況はどうか)
第2章 虚数はこうして認められた!―虚数の誕生事情(負の数と虚数の生い立ちと定着まで)
第3章 これが虚数のナマの姿だ!―虚数と複素数の世界(複素数と複素数平面;複素数の乗法と回転;複素数とはどういう数か)
第4章 これが虚数のパワーだ!―虚数の広がりと可能性(複素関数と微分の可能性;複素関数と積分の可能性;実世界と虚数)
著者等紹介
深川和久[フカガワヤスヒサ]
1952年生まれ。京都大学理学部(数学専攻)卒業、同大学文学部(社会学専攻)卒業、東京大学大学院修士課程(社会学研究科)修了。教材出版社等に勤務し、教材制作に従事した後、フリーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Yggdrasill
1
高校レベルからはじめて最終的には大学の物理学科2,3年レベルまでをカバー。難しすぎず易しすぎず、しかし表題の「100%文系の人のための」とは裏腹に、文系人間には100%無理な内容も含まれているのがミソ。ただ非常に読みやすい本でした、座標平面、ベクトルと平面、複素数平面の説明や、極形式についての説明も文系人間の私にはわかり易かったです。2011/05/05
hippos
0
2周読んだがタイトルにある『100%文系の人のため〜』は3章までで、4章はきついのじゃないかと思う。しかし、前半部の自然数から実数、そして虚数・複素数へと続く流れはわかりやすくためになりました。『ゼロからわかる数』の本として読んだらいいかも。2014/04/12
やっちゃん
0
複素数について勉強するつもりが、オイラーの公式、コーシーの公式などの内容まで出てくるので難しいのかと思いきやなかなか読みやすかったです。数の概念(自然数、整数、有理数、実数、複素数など)がわかり易く書いてあるので、改めて復習になりました。ただ、タイトルとは裏腹に、理系で代数学、幾何学、解析学をかじっていないと後半になるにつれて難しいのではないかと思います。 2012/01/22
yuyu_de_gozaru
0
非常に読みやすい本で,全体的に好感が持てる.複素関数なんかを本格的に勉強する前に,理系が全体像を下調べするのには最適.俺みたいな数学科卒じゃなくて高校数学の教員免許持ってるような人は,教養広げるのにちょうど良い一冊だなぁと思った.ただ,正直なところ文系には無理だと思うw そして,理系には最後の4章以外要らないw 理系の大学である程度いろいろ教養を積んでるから4章のイメージ的な話が「あぁ,まぁ,厳密にやれば成り立ちそうやね」ってのがわかるわけで,関連領域の知識ない人がいきなり読んでわかるもんじゃないと思うw2011/10/28
出原樹音
0
数学の歴史が概観できる。2019/01/03