内容説明
毎日を気ままに、誰に気兼ねなく生きるという幸せ。
目次
1章 いくつになっても「自分の足」で立つ(老いて「ひとりで暮らす」ということ;「自分の価値」を値踏みしない ほか)
2章 自分なりの「価値観」を持つ(お葬式くらい「自分の思い」を通してもいい;譲るときは、いさぎよく譲る ほか)
3章 「踏み込まない」「踏み込ませない」人付き合い(人の「どこ」を見るべきか;人付き合いは“八分目”でも多すぎる ほか)
4章 「自分らしく」生きるとは(「孤独」とうまく付き合う;「人生いろいろ」―人はそれぞれ違うもの ほか)
5章 人生をどう「しまう」か(下り坂の風景も楽しい;歳をとってみてよかった ほか)
著者等紹介
吉沢久子[ヨシザワヒサコ]
1918年東京都生まれ。文化学院卒業。家事評論家。エッセイスト。女性が働くことがごく珍しかった時代に15歳から仕事をはじめ、事務員、速記者、秘書などをへて、文芸評論家・古谷綱武氏と結婚。家庭生活を支える一方、生活評論家として生活者の目線で女の暮らしを考え、暮らしを大切にする思いを込めた執筆活動や講演、ラジオ、テレビなどで活躍。姑、夫と死別したのち、65歳からのひとり暮らしは30年を超えた。著書多数あり(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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やすらぎ
175
老いてこそ自立して生きたい。人のことを認め、自分に厳しくできること。それも自立のひとつ。なるべく人に頼らない。出来なくてもありがとうの一言を伝えればいい。…夢中になることがあるから、一人の時間を気兼ねなく過ごせる。拘りを捨てることで新しい楽しみ方を発見できる。…相手が誰であろうと尊重する。この気持ちを忘れたくはない。…幸せのかたちは人それぞれ。状況に応じて上手に変化できる方が生きやすい。失ったものを嘆くより、今ある幸せを噛みしめながら、楽しく暮らしていく。もうこれで十分。そんな風に思える。いい人生だった。2021/10/20
ちゃちゃ
103
最近、人生の大先達である女性のエッセイを3冊続けて読んだ。私のリタイア生活にも一定のリズムができ、今後の生き方についてさらに指針を求めているからだろう。お三方に共通するのは、早くに夫と離婚・死別して独り暮らし歴が長く、孤独を受け入れて自立自足し、何よりも柔軟な思考の持ち主であることだ。「老いてこそ、自分の足で立ちたい。人によりかからず、自分らしくいたい」「自分の生き方を自分で決める自由があることが幸せ」なのだと著者は記す。その揺るぎない凜とした精神の自由が、『ほんとうの贅沢』な生き方なのかもしれない。2023/08/07
おくちゃん🌷柳緑花紅
83
柴田トヨさんの「くじけないで」そして本作品吉沢久子さんの「ほんとうの贅沢」お二方共に私の目標になりました‼人生いつでもこれから、老いて尚可愛らしい柴田トヨさん。優しく上品で力みの無い語り口の吉沢久子さんの文章は真っ直ぐに心に届きました。毎月我が家で行う書遊び、ヨガ気功!誰かの得意な事を皆で行う。お茶の準備、お部屋の整頓、社会を家に持ち込むって大事で大切。続けて行きたい。そしてメンバーも枠を設けずに!そんな事を思った。歳をとって良かったと思える私でありたい。2015/08/22
ゆか
55
よかった。「誰かに寄りかかって生きることのないように、誰かに頼りたくなるような状況に自分をおいこまないために、こころの余裕、お金の余裕を上手に作っていくことが大切です。」「自分にどんな力があるかは、それを発揮してみてはじめてわかります。やってみなければわかりません。」「断ること。譲ること。そうして自分を通すこと。」外交官の妻の姑さんは、英語が堪能で、75歳で英語教室を開く。ある日「私の英語は、50年前のロンドンで身につけたものだから今はどんな言葉が使われているか実際にロンドンに行ってみたい」80歳で素敵!2016/05/24
クリママ
53
エッセイストの著者はこのとき97歳、ひとり暮らし。穏やかな笑顔。自分のペースで暮らし、自分の頭で考え、考えたことを行動に移せる。自分で思い描いたふうに生きていけるのは、とても贅沢で幸せなこと。下り坂の風景もいいもの。書かれていることは、高齢者だけでなく、誰でも大切にしなければならないこと。90歳過ぎても健康で、経済的余裕があり、そして、仕事もある。101歳、いつもどおりに病室で眠りにつくと、安らかにそのまま旅立たれた。ご自身の日々の精進はもちろんだが、その幸運を羨ましく思う。2021/08/12
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- 和書
- 上げ底挑戦者