内容説明
日本国憲法に引き継がれた大日本帝國憲法の本質。理想の憲法を追求した明治元勲の精神に学ぶ。『東大のディープな日本史』の著者が放つ憲法改正論議に必読の書。
目次
第1章 天皇
第2章 臣民権利義務
第3章 帝国議会
第4章 国務大臣及枢密顧問
第5章 司法
第6章 会計
第7章 補則
著者等紹介
相澤理[アイザワオサム]
予備校講師、文筆家。東進ハイスクール講師時代に執筆した『歴史が面白くなる東大のディープな日本史』(KADOKAWA中経出版)で一躍脚光を浴びベストセラー作家の仲間入りをする。1973年生まれ。開成中・高校を経て、東京大学文学部中国思想文化学科卒業。現在はRGBサリヴァン講師として首都圏各校で受験指導にあたるかたわら、歴史・哲学・宗教の分野で、精力的な執筆活動を行う(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Haruka Fukuhara
11
ファッショナブルな本しか置いてない本屋(T-site)に置いてあったけど、伊藤博文「憲法義解」と言えば憲法学の講義でも言及されるいわゆる明治憲法の制定者意思を示したもの。(実際に執筆したのは井上毅らしい)現代語訳と解説がついた本がこうして手頃な形で提示されているのは何だか感慨深い。岩波文庫にも当然あるわけですが。2017/05/27
Рома
3
伊藤博文が帝国憲法の解説書として執筆した「憲法義解」の現代語訳版。いぜん何冊か本を読んで帝国憲法の概要は掴んでいたので容易に読み進められた。主権の「体」と「用」を明確にし、責任のありかを明らかにする。議会に多大な権力を与えながらも内閣にフリーハンドを与える。緊張を生み衆議院の軽薄な行動を阻止するための貴族院。緊急事態条項を設定し一時的に国民の権利を停止する。法律の範囲内で自由を定めることで、明確に人権を保証する。今の憲法に受け継がれていたり受け継がれていなかったりそれぞれあるがどの点が優れどの点が劣るかを2017/11/10
東城
1
岩波文庫の憲法義解が手に入らなかったため、こちらを読了。現代語訳の上、内容的にも抄訳に近いものなので、改めて憲法義解を手に入れて読んでみたいと思う。しかしながら憲法論議が盛んに行われているというこのご時世に憲法義解が復刊されないというのは一体どう言う事なのだろう。我々は昭和20年以前から切り離されて、未だに「閉ざされた言語空間」を彷徨っているという事なのであろうか。2016/06/12