内容説明
『固有時との対話』『芸術的抵抗と挫折』から『言語にとって美とはなにか』『共同幻想論』『最後の親鸞』『ハイ・イメージ論』まで吉本隆明が最後に描いた自画像。連載「自作を語る」をすべて収録した完全版インタヴュー集。
目次
『固有時との対話』『転位のための十篇』
『マチウ書試論』
『高村光太郎』
『芸術的抵抗と挫折』
『擬制の終焉』
『言語にとって美とはなにか』
『共同幻想論』
『花田清輝との論争』
『心的現象論』
『最後の親鸞』
『悲劇の解読』
『「反核」異論』
『マス・イメージ論』
『源氏物語論』
『死の位相学』
『超西欧的まで』
『ハイ・イメージ論』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
壱萬参仟縁
7
インタビュー形式で自著について語られる。17冊分ある。『芸術的抵抗と挫折』 1959年に注目した。新しい批評基準を作ること(74ページ)。批評、評論、感想。批判的に論評することは難しいことである。ゼミでも報告者としての方が容易であり、コメントする人の方が論点を新たに提示したり、報告者にさらなる説明を求めたりと、なかなか相互作用で勉強になる。それが市民大学院のスタイルとなっている。思想家としての吉本隆明氏は、鶴見俊輔氏の本から知ることができた。今から19年前のことであった。2013/02/13
amanon
3
吉本の入門書として、またファンにとっては吉本の歩みを改めて概観する際にうってつけの一冊ではないかと思う。僕自身、ここで言及されている著作の幾つかを読んできたのだけれど、結局何も理解できていなかったのでは?という思いに囚われると同時に、他の著作ももっと読んでみたいという気にさせられた。このあたり吉本が持つ魅力と懐の深さのような者が現れているのでは?また、畑は違うものの、熱心な吉本ファンであった渋谷陽一のインタビューもかなり的確で好感が持てる。これだけの言葉を引き出せたのは、渋谷だからこそできたことでは?2013/05/04
瀧本往人
0
「3.11」以後に「脱原発は人間がサルに戻ることを意味している」と発言した吉本の真意がこれで明らかになった。単なる科学崇拝だけではなく、「思想の倫理」にかかわる問題と私は理解した。戦後の「転向論」と同じ意味合いをもって読むことが必要ということである。http://ameblo.jp/ohjing/entry-11496478748.html2013/04/01
pet
0
吉本さんの著書は自分にとっては難解で,わかったぞ,とはとてもいえない.でも,この本はインタビュー形式なので,わかった気にさせてくれる.吉本さんの言葉をぐんぐん引き出していて,聞き手である渋谷陽一さんはすごいなと感じる.2012/12/31
bittersweet symphony
0
2024年が生誕百年とか聞くと歴史上の人物かと思ってしまいますが、私が年を取った証拠でもありますがあまりそういう感じはしませんね。最後に出たまとまったインタビュー集がロッキング・オンからというのは聞き手が渋谷陽一であるのと併せて功7罪3くらいの印象です。2024/03/14
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