環境にやさしい21世紀の化学

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  • サイズ A5判/ページ数 1冊/高さ 21cm
  • 商品コード 9784860430771
  • NDC分類 430
  • Cコード C3043

出版社内容情報

 「環境に優しい持続可能な化学と化学技術」、「有害な物質を使わない、つくらない、出さないグリーンケミストリー」、この化学理念を徹底・浸透させる目的の学部学生向けの教科書。グリーンケミストリーの概念と化学を学ぶことの意義を理解してもらうと同時に、化学の魅力と面白さを知ってもらうため、化学の基礎から応用にわたる幅広い分野を大阪府立大学応用化学科の全教授がグリーンケミストリーに基づいて各専門分野の内容を易しく解説している。


編著代表
安保 正一・水野 一彦

執筆者(執筆順)
坂東  博・安保 正一・松岡 雅也・井上 博史・水野 一彦・小川 昭弥・白井 正充・河野 健司・岡  邦雄・辰巳砂昌弘・八尾 俊男・中澄 博行
※編著代表・執筆者ともに大阪府立大学所属



第1章 地球環境の特徴と環境化学
第1節 はじめに
第2節 地球環境の化学的性質
第3節 地球大気の組成
第4節 地球大気組成の変遷
第5節 高酸素大気の働き
第6節 おわりに

第2章 太陽光の化学的利用と環境保全
第1節 はじめに
第2節 環境にやさしい太陽光エネルギー
第3節 光触媒を用いた太陽光の化学的エネルギーへの変換―光触媒はどのようにして働くのか―
第4節 太陽光と光触媒を利用する環境保全への道
4.1 水の完全分解による水素の製造
4.2 二酸化炭素の水による還元固定化(人工光合成)
4.3 窒素酸化物(NOx)で汚染された空気の清浄化
4.4 住環境での汚れや悪臭物質の分解除去
4.5 ダイオキシンなどの有害物質で汚染された水の無害化・清浄化
4.6 曇らなく汚れないクリーンなアメニティ空間を創る
第5節 太陽光を有効に利用できる新しい光触媒とクリーンなエネルギー創製
5.1 可視光で作用する光触媒の意義と重要性
5.2 新しいタイプの太陽電池開発への期待
第6節 太陽光を利用する新しい化学技術の芽生えと今後への発展

第3章 環境にやさしい水素エネルギー
第1節 はじめに
第2節 水素の性質および特徴
第3節 水素の製造
3.1 化石燃料からの水素製造
3.2 非化石燃料からの水素製造
第4節 水素の貯蔵
4.1 圧縮ガスとしての貯蔵
4.2 液体水素としての貯蔵
4.3 水素貯蔵材料による貯蔵
第5節 水素の利用―燃料電池
5.1 燃料電池の原理
5.2 燃料電池発電と火力発電
5.3 燃料電池の一般的特徴
5.4 燃料電池の種類
5.5 固体高分子(電解質)型燃料電池
第6節 おわりに

第4章 環境に調和した有機合成化学
第1節 はじめに
第2節 有機合成化学におけるグリーンケミストリー―環境負荷特性と原子効率―
第3節 有機合成反応の分類
3.1 原子効率の高い反応:付加反応と転位反応
3.2 原子効率の低い反応:置換反応と脱離反応
第4節 環境に調和した有機合成反応の具体例
4.1 原子効率を考慮した有機合成
4.2 アジピン酸の合成
4.3 水を溶媒とする合成反応
4.4 超臨界流体を溶媒とする合成反応
4.5 毒性の強い化合物を用いない有機合成
4.6 遷移金属錯体を用いる酸化反応
4.7 マイクロ波を用いる有機合成
4.8 光を用いる有機合成
第5節 おわりに

第5章 環境にやさしいフッ素テクノロジー
第1節 はじめに
第2節 フッ素の性質
第3節 フッ素資源
第4節 フルオロカーボンの物性
第5節 フルオロカーボンの利用
第6節 フロンの性質と利用
第7節 フロンガスと地球環境
第8節 フッ素と生理活性
第9節 有機合成におけるフッ素系溶媒
第10節 代替有機溶媒としての含フッ素溶媒
第11節 フッ素官能基の導入

第6章 環境にやさしい高分子材料-つくり方と使い方-
第1節 はじめに
第2節 高分子とプラスチック
第3節 環境にやさしい高分子の合成
3.1 汎用高分子の合成方法の工夫
3.2 酵素や微生物を利用する高分子合成
3.3 天然高分子の化学修飾†
第4節 環境にやさしい高分子材料の使い方
4.1 高分子材料の長寿命化技術
4.2 プラスチックのリサイクル
4.3 生分解性(微生物分解性)高分子
第5節 おわりに

第7章 生命高分子のテクノロジー
第1節 はじめに
第2節 タンパク質
2.1 タンパク質の構造
2.2 タンパク質の機能
2.3 核酸の構造と機能
2.4 脂質膜の構造と機能
第3節 生命高分子を用いる機能材料
3.1 触媒機能をもつタンパク質
3.2 酵素の修飾
3.3 生命高分子の医療分野への応用
3.4 ドラッグデリバリーと生命高分子
3.5 生命高分子と診断材料
第4節 おわりに

第8章 無尽蔵の資源から作る高分子-シリコーン
第1節 はじめに
第2節 ケイ素工業とシリコーンの合成法
2.1 ジメチルクロロシランモノマー合成(直接法)
2.2 シリコーン高分子製造法
第3節 シリコーンの基礎的な特性
3.1 ケイ素の特性
3.2 Si―O結合の特性
3.3 シリコーン分子全体としての構造と特性
第4節 シリコーンの利用法
4.1 シリコーンオイル
4.2 変性シリコーン
4.3 シリコーンゴム
4.4 シリコーンレジン
第5節 おわりに

第9章 先端無機材料のデザインと合成
第1節 はじめに
第2節 物質の三態
第3節 単結晶と多結晶、ガラス
第4節 物質と材料
第5節 先端材料の実例1―花弁状アルミナ薄膜
第6節 ゾル―ゲル法
第7節 撥水―親水パターンを利用したマイクロレンズアレイの作製
第8節 先端材料の実例2―高イオン伝導材料β―アルミナ
第9節 全固体電池の実現に向けた固体電解質材料の開発
第10節 おわりに

第10章 生体機能をモチーフとしたセンサー化学
第1節 はじめに
第2節 酵素反応を用いる自動計測法
2.1 酵素の固定化方法
2.2 測定方法
第3節 バイオセンサー
3.1 酵素センサー
3.2 免疫センサー
3.3 DNAセンサー
3.4 生体内(in vivo)計測
第4節 バイオミメティック(生物模倣)センサー
4.1 人工酵素
4.2 分子鋳型(モレキュラーインプリンティング)ポリマー
4.3 人工レセプター
第5節 バイオチップ
第6節 おわりに

第11章 エコフレンドリーな着色・画素形成技術
第1節 インクジェット
第2節 インクジェットの印刷原理
第3節 インクジェット用インク
第4節 プリント倶楽部
第5節 ポイントカード
第6節 ノーカーボン紙
第7節 着色ガラスびん

用語解説・略語一覧