出版社内容情報
【監修者】
岡野 達雄 東京大学生産技術研究所教授
【著者】
吉村 長光 技術士
精密装置開発に欠かすことのできない高真空・超高真空技術の専門書。
第一部で真空装置の基礎設計に役立つ実用技術を、第二部で電子顕微鏡の真空システム技術を解説する。
第1部 真空系の基礎設計
はじめに
第1章 真空排気系の基礎設計
1 高真空排気ポンプの選択
1.1 油拡散ポンプ(DP)が適合する場合
1.2 ターボ分子ポンプ(TMP)が適合する場合
2 高真空排気ポンプの排気速度の決定
2.1 体積排気特性
2.2 定常排気特性(表面排気)
3 粗引きポンプの排気速度の決定
3.1 体積排気特性
4 補助排気ポンプの排気速度の決定
4.1 過大ガス負荷領域をすみやかに通過させるために
4.2 空間ガス負荷対策
4.3 クロスオーバーにおけるガス放出負荷対策
4.4 油拡散ポンプ(DP)排気系の制御
4.5 ターボ分子ポンプ(TMP)排気系の制御
第2章 真空ポンプ
1 油回転ポンプ(RP)とルーツポンプ
1.1 翼型油回転ポンプ
1.2 ルーツポンプ(別名:メカニカルブースターポンプ)
2 ドライポンプ
3 油拡散ポンプ(DP)
3.1 油蒸気の逆流特性
3.2 ポンプの作動油
4 ターボ分子ポンプ(TMP)
4.1 ターボ分子ポンプ(TMP)の排気系
4.2 TMP排気系の運転
5 スパッタイオンポンプ(SIP)
5.1 排気のメカニズム
5.2 放電強度
5.3 不活性ガスの排気
6 チタンサブリメーションポンプ(TSP)
7 非蒸発ゲッターポンプ(NEG)
8 クライオポンプ(CP)
8.1 排気特性
8.2 排気系
8.3 排気系の設計上の注意
8.4 再生作業と保守
第3章 圧力測定
1 真空計
1.1 機械的真空計
1.2 熱伝導真空計
1.3 電離真空計
2 残留ガス分析計
2.1 磁場セクター型ガスアナライザー
2.2 4重極子マスフィルター
第4章 洗浄
1 洗浄工程
1.1 洗浄の種類と工程
1.2 各種材料の洗浄工程
1.3 結論
2 有機溶剤による洗浄
2.1 溶剤の物性
2.2 有機溶剤の引火性と毒性
2.3 水系洗浄溶液による洗浄
3 プラズマ洗浄
4 洗浄に関する論文
第5章 リークテスト
1 ヘリウム漏れ試験方法
1.1 分析管の動作原理
1.2 試験装置
1.3 真空吹き付け法(スプレー法)
1.4 真空外覆法(真空フード法)
1.5 真空積分法
1.6 吸い込み法(スニッファー法)
1.7 加圧積分法
1.8 吸盤法(サクションカップ法)
1.9 真空容器法(ベルジャー法)
1.10 浸漬法(ボンビング法)
2 その他のリークテスト
2.1 ヘリウムリークディテクターが利用できる場合
2.2 残留ガス分析計(マスフィルターなど)が利用できる場合
2.3 電離真空計が備わっている場合
第6章 構成材料のガス放出
1 ガス放出のプロセス
1.1 熱励起ガス放出
1.2 電子励起脱離(ESD)
2 ガス放出速度の測定方法
2.1 差動的圧力上昇法
2.2 可変コンダクタンス法
2.3 新しい3点圧力法
2.4 新しい2点圧力法
2.5 1点圧力法
2.6 コンダクタンス変調法(CM法)
2.7 流路切り替え法
2.8 各種測定方法の比較
3 ガス放出速度のデータ
3.1 熱励起ガス放出
3.2 電子励起脱離(ESD)
4 超高真空用金属材料の表面処理
4.1 ステンレス鋼
4.2 アルミニウム合金
4.3 銅と銅合金
4.4 チタン
第7章 圧力シミュレーション
1 真空回路の基礎
1.1 従来の圧力解析
1.2 真空ポンプの排気機能
1.3 チャンバー壁のガス放出機能
1.4 真空回路
2 ガスフローによる空間圧力分布
第2部 マイクロ・ナノ電子ビーム装置の真空システム技術
第1章 電子顕微鏡の真空排気系
1 電子顕微鏡の真空的特徴
1.1 透過型電子顕微鏡(TEM)の鏡体各部の構造と材料
1.2 鏡体各部の機能と真空
2 電子顕微鏡の油拡散ポンプ排気系
2.1 透過型電子顕微鏡(TEM)のDP排気系
2.2 走査型電子顕微鏡(SEM)のDP排気系
3 電子顕微鏡と表面分析装置の超高真空系
3.1 透過型電子顕微鏡(TEM)の超高真空系
3.2 表面分析装置の超高真空系
3.3 構成材料の表面処理
3.4 真空装置内のほこり(パーティクルコンタミネーション)対策
第2章 電子顕微鏡における各部圧力のシミュレーション
1 真空回路の設計
2 抵抗回路網シミュレータによる圧力解析
3 コンピュータによるマトリックス解析
4 真空回路による高真空系の解析事例
第3章 微細電子ビーム照射によって誘起される試料汚染
1 炭化水素ガス分子の輸送
1.1 Ennosの実験
1.2 Christyの解析
1.3 Wallの解析
1.4 Yoshimura et al.の実験
2 二次電子像(SEI)の暗化
2.1 Gressus et al.の実験
2.2 Yoshimura et al.の実験
3 カーボン試料のエッチング現象
3.1 Heideの実験
3.2 ノウハウ技術
4 汚染となる材料
第4章 真空中での放電
1 インシュレータ沿面放電
1.1 放電に関わる因子
1.2 インシュレータの表面の帯電
1.3 沿面放電のメカニズム
1.4 インシュレータの表面性状
1.5 カソード側のインシュレータ・電極接合部(トリプルジャンクション)の形状
1.6 SF6ガス中での沿面放電
2 電極ギャップ放電
2.1 アノード開始説
2.2 イオン交換現象と全電圧効果
2.3 電極表面上のウィスカー
2.4 電極表面のガス分子
第5章 微細電子ビームエミッタ
1 タングステン(W)-FEエミッタ
1.1 Crewe et al.のFE電子線源をもつ電子銃の研究
1.2 エミッション特性とエミッションノイズ
1.3 リモルディング処理とビルドアップ処理
2 ZrO/Wエミッタ
2.1 ZrO/Wエミッタのエミッション特性
3 ランタンヘキサボライド(LaB6)エミッタ
3.1 Laffertyのホウ化物の熱電子放出特性の研究
4 その他の電子線源
第3部 真空技術の基礎の諸式とJIS資料
1 真空技術用語
1.1 真空技術一般用語
1.2 圧力の単位
1.3 真空ポンプ関連用語
1.4 真空計および関連用語
2 真空装置用図記号
2.1 真空ポンプと関連部品
2.2 真空フランジ・排気管・弁などの図記号
2.3 真空ゲージの図記号
3 真空装置用フランジ
3.1 真空装置用フランジ
3.2 真空装置用クランプ形継手
3.3 真空装置用ベーカブルフランジ
4 気体分子の運動
4.1 蒸気圧
4.2 入射頻度
4.3 平均自由行程
4.4 コンダクタンス
4.5 排気特性
4.6 吸着
4.7 脱離
4.8 拡散
4.9 表面排気