内容説明
昭和29年3月1日、ビキニ環礁の水爆実験で第五福龍丸が被害を受けた。しかしマグロ漁場で行われた核実験は100回以上。多くの高知船籍の船が被ばくし、広島・長崎に連なる被害者を生み出していた…―気がつくと私は一人でマグロ船の乗組員やその遺族を巡っていた。高知の海岸線を行脚すると次々と置き去りにされた事実や捨てられた過去が見えてきた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Nobuko Hashimoto
22
第五福竜丸記念館で購入。ビキニ環礁での水爆実験で被ばくした第五福竜丸以外の漁船員に高知の高校生が聞き取り調査をしていると知った愛媛のテレビ局のディレクターが、17年をかけて関係者らを訪ねて調べた太平洋核実験被害の記録の漫画化。延べ900隻以上の船が被ばくし、多くの乗組員に健康被害が出たにもかかわらず、様々な事情から表に出されなかった実態に衝撃を受ける。漫画家自身の父もおそらく被ばくしていたというあとがき的な短編も添えられている。2022/03/26
takao
2
ふむ2022/11/01
後藤良平
2
映画を初めて観てからもう何年経ったのだろう。そもそも何で見つけたのかも忘れたが、ちょうど東京の夢の島で初めて第五福龍丸を観た頃だったと思う。こんな水爆被害があり、被爆した多くの漁船員が亡くなっているのに、アメリカからの補償は一銭も彼らに渡っていない。そして、汚染がなくなったいた訳でもないのに、アメリカから補償をもらった途端に国は測定すら止めている。サンフランシスコ講和条約締結後の昭和29年のこと。魚からしかタンパク質を取れなかった時代だとしても、多くの死んでいった漁師さんが哀れだ。年間読書No.27購入2021/02/18
サクラ
0
本文より『永遠に忘れっぽい人類ーお前はなぜ生きているんだ?』何も知らない、とはなんて恐ろしいことなんだろう…そして何も知らされず死んでいく…本の背表紙の写真の家族。何も知らされず偽物の平穏の中で…政治家は何をやっているんだろう?国家は何を護っているの?世界はこの事実も忘れていくのか…2021/01/12
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