内容説明
裁判所の歴史が開くあなたの知らない愛媛。裁判はドラマに満ちている。裁判のゆくえは国の運命を変え、法廷は、人生の縮図ともなる。明治の愛媛県では、どのような裁判が闘われただろうか―中央政府の近辺で起こったことだけが歴史ではない。中央の政治も経済も、全国津々浦々の人びとの営みによって支えられている。地域における法や裁判をめぐる営みもまた、新たな視角から検討されなければならないのではないか。本書はそのようなささやかな試みである。
目次
第1部 裁判所ものがたり(プロローグ―赤レンガの裁判所庁舎;明治維新後の裁判制度の変遷;愛媛県裁判所から松山裁判所へ ほか)
第2部 市之川鉱山事件の深層(愛媛県初代警部長・真崎秀郡とその周辺;「西条疑獄事件」の構図;書かれざる一章)
第3部 「海南新聞」の記事から考える(夏井保四郎「法界時言」と日本人の法意識;久万警察署疑獄事件を考える;“負の遺産”にどう向き合うか)
著者等紹介
矢野達雄[ヤノタツオ]
1949(昭和24)年愛媛県松山市に生まれる。大阪大学法学部および同大学院法学研究科で学ぶ。愛媛大学法文学部教授を経て、広島修道大学法学部教授。専攻は日本法制史、法社会学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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