- ホーム
- > 和書
- > 趣味・生活
- > 音楽(楽譜)
- > 子供の歌・童謡・アニメ・ゲーム
内容説明
なぜか消えてしまった歌は、いい歌ばかりなのだ。「仰げば尊し」「われは海の子」「虫のこえ」「冬景色」…。歌から見えてくる、日本人の生き方、懐かしい景色。内館牧子がつづる歌の情景、忘れたくない日本の心。
目次
船頭さん
春の歌(朧月夜;仰げば尊し ほか)
夏の歌(蛙の笛;汽車ぽっぽ ほか)
秋の歌(見てござる;風 ほか)
冬の歌(冬の星座;もずが枯木で ほか)
著者等紹介
内館牧子[ウチダテマキコ]
1948年秋田市生まれ。東京育ち。武蔵野美術大学卒業後、13年半のOL生活を経て、1988年脚本家としてデビュー。テレビドラマの脚本は「ひらり」(1993年第1回橋田壽賀子賞)、「毛利元就」(1997年NHK大河ドラマ)、「小さな神たちの祭り」(2021年アジアテレビジョンアワード最優秀作品賞)など多数。小説家、エッセイストとしても活躍。2000年より10年間、女性初の日本相撲協会の横綱審議委員を務める。2003年、大相撲研究のために東北大学大学院に入学、2006年3月修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
45
本書の最初に、異国で歓待を受けた日本人のグループが、お礼として即興で「花」を合唱したところ、大変な賞賛を受けたという話が載せられている。日本人なら誰でも、ある年代以上の人は、かなりな数の童謡・唱歌を覚え、歌うことができる。本書が記すのは、しかし、様々な理由でいわば心の財産とも言うべき「歌」の数々が、伝承されることなく消えつつあるという現実である。新曲が次々と誕生する現在、昔の歌が人々の記憶から消え去るのは仕方がないかも知れない。しかしその歌と共にあった暮らしの姿、心の有様まで忘れ去られるのは悲しく切ない。2022/03/21
スリカータ
18
何年か前、朧月夜の歌詞の意味を生徒(小〜中学生)に教えることがあり、叙情性の豊かさに自分自身が深く感銘を受けた。内舘さんの解釈で、また新たな気付きを得た。私自身が子供の頃は全く気にもとめない事が、大人になって理解できたこともあり、日本の叙情詩の再確認にお勧めの本。ただ、知らない詩が半分くらいあり、消えてしまうのが勿体無い。「われは海の子」が7番まだある事は知っていたけど、GHQによって一度は消され、時を置いて復活した歴史的背景は興味深い。2022/08/13
カタコッタ
15
子供の頃に歌った歌が歌われなくなる現実は淋しいとしか言いようがない。シニア向けの音楽活動をしているので、童謡唱歌はなるべく練習をしている。とにかく誰でも知っていて歌える、これに尽きる。私たちが残さなければ誰が歌えるのか、という大きな目標ももっている。時代に合わない、という事、致し方ない。内館牧子先生の小気味良いエッセイもまた楽しい。個人的に好きなフォスターも教科書から外れて久しい。『金髪のジェニー』『オールドブラックジョー』殆ど聴かれなくなった。きっと若い世代も好きなメロディだ。音楽好きな人、聴いてみて!2025/06/03
luckyair
2
まさにここに紹介されている歌の中でも、1度も聞いたことないものも結構あった。筆者も文中で指摘しているが、知っているか知らないかは「周りにその歌を伝える人がいたか」が、年代よりも大きな要素となるとのこと。筆者の言い方にトゲがあってあまり好きではないけど、解説はこの歌を知るために参考になる。歌の歌詞が分かり辛い、時代に合わないからと言ってカットしていくのは勿体ない気もする。とは言え、歌の価値をどう捉えるかは時代背景によるものが多く、知らないことと「民度が低い」ことを結びつけるのは違うかなーと思った。★★☆2022/09/28