内容説明
作家論から恋愛論、東京論、映画評論まで。夭折の天才作家山川方夫のエッセイ集。
目次
第1章 灰皿になれないということ(灰皿になれないということ;“自由”のイメージ;永井龍男氏の『一個』 ほか)
第2章 わが町・東京(わが町・東京;神話;『日々の死』の銀座 ほか)
第3章 目的をもたない意志―映画をめぐる断章(増村保造氏の個性とエロティシズム;映画批評家への公開状;目的をもたない意志 ほか)
著者等紹介
山川方夫[ヤマカワマサオ]
1930(昭和5)年、東京生まれ。本名は嘉巳。慶応義塾大学仏文科卒業。戦後、第三次『三田文学』の編集長となり、江藤淳に『夏目漱石論』を依頼し、批評家デビューさせたのは有名である。小説家としても57年、『日々の死』によって注目され、『海岸公園』『愛のごとく』などの秀作を発表し、数回、芥川賞候補となる。65年、交通事故のため、急逝(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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いのふみ
6
この人の文章からは、死の影や、諦念や、クールさや、虚無が感じられて、目を瞠らさられる。2016/10/06
十一
2
果たし合いのような緊張感2012/11/21
hiratax
0
刊行直後に一度読んだはずなので再読。作家であるとともに、評論家的な気質も持っている。さらに彼の出自は「三田文学」の編集者である。マルチプレイヤーとしての山川がうかがえる。2017/08/04
ほみょ
0
★★★☆☆「自由」のイメージが何も湧かないという話が印象的。2012/09/15
ホン
0
山川方夫 初めて聞く名だ ただタイトル名に関心を持ち読み始める いろんなジャンルがあるが特に映画評には凄まじい迫力めいたものを感じる 読んでいて汗が出そうになるくらいだ この作家独自の野性的と云うか強烈な個性を感じた 石原慎太郎、大江健三郎とかと同世代らしいが34歳の若さで亡くなったのが惜しい。2011/06/13