内容説明
夭折した悲劇の天才ランナー人見絹江を主人公にした「紅茶とヒース」、日本プロ野球史に輝く伝説のピッチャー沢村栄治を妻の視点から描いた「風よりつらき」のほか、高校野球、ラグビー、スキー、絵画をモチーフに、スポーツの深淵と陰翳に富んだ愛のかたちを描いた畢生の短篇小説集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みのにゃー
4
図書館でパスキンの名前に魅かれ借りる。初読みの作家さん(故人)。短編集。しかも7編中5編はスポーツ小説だった。だが試合ではなく、主人公にスポーツがどう関わったかなど。終わりの2編は画廊に勤める容子が主人公。官能的。2016/10/29
SAKUCHI
0
大好きな一冊。特に巨人のピッチャー沢村栄治とその妻を描いた「風よりつらき」は、一人の男を愛する女の情念にひしと打たれ、最後の一文にはっとさせられる。
恵
0
スポーツ、美術にまつわる短編集。分野は野球、ラグビー、スキーと多岐に渡るものの素人目にも伝わってくる息遣いや体温の生々しさ、繊細な描写や比喩表現に惹かれました。特に紅茶とヒース、日本少年が好きでした。栄光に潜む陰惨さや画家と共鳴するエロティシズムが凝縮されています。2013/08/17