内容説明
今、もっともブリリアント、もっとも軽やかで、もっとも読み応えのある映画評論はこれだ!『週刊文春』のシネマチャートでもユニークな視点が光る、先鋭的な批評家の最新映画論集。
目次
1 遊ぼうか(エロティックな「停止」―『アウト・オブ・サイト』;「映画の血」を求める男―『ラスト・オブ・モヒカン』 ほか)
2 遊ぼうよ(映画の妖婦はなぜ楽しいか―『悪女映画』再訪;キャプラの眼力―『素晴らしき哉、人生!』 ほか)
3 遊ぼうぜ(いいよ、よりをもどしても―『ビッグ・リボウスキ』;ソロンズ版「昆虫記」―『ハピネス』 ほか)
4 遊ぼうね(エミネムが放電した火花―『8Mile』;映画を吹き抜ける突風―『パンチドランク・ラブ』 ほか)
著者等紹介
芝山幹郎[シバヤマミキオ]
1948年、石川県金沢市生まれ。東京大学文学部仏文科卒業。72年、詩集『晴天』(書肆山田)を刊行。その後、アメリカ文化や映画への深い知識に裏打ちされた独自のスポーツ評論、映画評論を展開、とくにアメリカ映画に関しては、第一人者で、『週刊文春』のシネマチャートの鋭い論評も絶大なる信頼を得ている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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踊る猫
30
熱いな、と思う。もちろん大量の映画を観て来たその蓄積に裏打ちされたものだということを踏まえる必要はあれど、この著者は対象となる映画に関して冷静に/理知的にアプローチするというのではなく、しばしばその論理をすっ飛ばした賞賛を吐露したいという情熱に負けてしまうようだ。だが、そういう熱は私は嫌いではない。タランティーノを称賛し、コーエン兄弟をチクリとやる。エドワード・ヤンに関するエッセイがあることに驚かされたのは、この著者はアメリカ映画専門の書き手だというこちら側の先入観があってのことでこの著者はかなり懐が深い2020/02/09
Zen-zen
0
スノビッシュで強気の断定が横溢する芝山節を読むと、共感する時と嫌味に感じる時がある。それが一冊の本にまとまると、後者の気分がやや強いか。個人的にはもう少し映画に対して慎み深い評論の方が好ましい。ただ、映像に対する彼の感性の鋭さには感心することが多々あった。2011/11/15
afro
0
拾い読み。時折いい事が書いてある。わりと時代時代の良作を外さずにチョイスしてるので、信頼できる。アメリカ映画を追う時はこの人を参考にするのも良い。2011/05/17