内容説明
『マルタの鷹』『白鯨』『アフリカの女王』など、不朽の名作の製作秘話に加え、赤狩りに抵抗した不屈の反逆精神、ヘミングウェイ、サルトルなど芸術家たちとの友情、五度も結婚した波瀾に満ちた生涯を率直に語ったハリウッド・メモワールの最高傑作。
目次
ラス・カレタスにて
両親の結婚、そして別れ
チャップリン、ボクシング、絵画
ユージン・オニールとの出会い
世界最低の新聞記者
ロンドンどん底生活
『マルタの鷹』で監督デビュー
エロール・フリンとの一騎討ち
『サン・ピエトロの戦い』
やけっぱちの三度めの結婚
赤狩りの時代
『黄金』ができるまで
『キー・ラーゴ』でワーナーを去る
ヘミングウェイの肖像
呪われたカルト映画『勇者の赤いバッジ』
父ウォルター・ヒューストンの死
『アフリカの女王』とジェイムズ・エイジー
『赤い風車』の色彩デザイン
アイルランドのキツネ狩り
セント・クレランス狂
アイルランド時代の終わり
『悪魔をやっつけろ』とボギーの死
『白鯨』から『黒船』で
デイヴィッド・O・セルズニック
『自由の大地』のアフリカロケ
『荒馬と女』のマリリン・モンロー
『フロイド』とサルトル、モンゴメリー・クリフト
『イグアナの夜』とテネシー・ウィリアムズ
私の大好きな動物たち
最大の大作『天地創造』撮影秘話
カーソン・マッカラーズの思い出
観客に見放された『ファット・シティ』
『風の向こう側』のオーソン・ウェルズ
念願の企画『王になろうとした男』
私はスタイルを持った映画監督ではない
低予算の冒険『賢い血』
ふたたびラス・カレタスにて
著者等紹介
ヒューストン,ジョン[ヒューストン,ジョン][Huston,John]
1906年8月5日、ミズーリ州ネヴァダに生まれる。父は有名な性格俳優ウォルター・ヒューストンである。十代後半から俳優、ボクサー、画家、記者などさまざまな職業に就き、やがて脚本家として頭角を現わす。41年、『マルタの鷹』で鮮烈な監督デビューを果たし、主演のハンフリー・ボガートを一躍、スターダムにのし上げた。48年の『黄金』でアカデミー監督賞、脚本賞を受賞、ハリウッドを代表する監督となった。多彩なジャンルの作品を手がけたが、特にマリリン・モンローを発見した『アスファルト・ジャングル』など、“野望とその挫折”をテーマにした映画は傑出した魅力を放っている。87年、長年、映画化を夢見ていたジェイムズ・ジョイス原作の『ザ・デッド』を撮り終えて、死去。娘は女優のアンジェリカ・ヒューストンである
宮本高晴[ミヤモトタカハル]
1952年、福井県生まれ。早稲田大学大学院文学研究科芸術学科(映画学専攻)修士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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