内容説明
チャップリン、キートンのサイレントコメディに匹敵する傑作喜劇を撮った映画監督が日本にもいたんだ。エノケン、ロッパ、エンタツ、アチャコ、バンジュン…。みーんな斎藤寅次郎監督の爆笑喜劇から巣立った。
目次
第1章 自叙伝(奇人・変人・喜劇人;喜劇映画秘話)
第2章 エッセイ、自作を語る(映画と実生活と;ナンセンスの強調;映画と自動車 ほか)
第3章 斎藤喜劇をめぐる回想(斎藤おやじの喜劇映画 大貫正義インタビュー;さりげなく、まことしやかな斎藤喜劇 松林宗恵監督インタビュー;寅次郎一家のハンサムスタア 田端義夫インタビュー)
著者等紹介
斎藤寅次郎[サイトウトラジロウ]
1905年(明治38年)秋田県生まれ。22年松竹蒲田撮影所に入社。26年『桂小五郎と幾松』で監督デビュー。『子宝騒動』『この子捨てざれば』(35年)などでサイレント喜劇に頂点を極める。38年に東宝へ移籍、エノケン、ロッパ、金語楼、川田晴久、花菱アチャコ等トップ喜劇人と組み、傑作、名作、珍作を連打する。戦後は新東宝を中心に各社で監督、『東京五人男』(45年)『東京キッド』(50年)など作品多数。1982年(昭和57年)5月1日永眠
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感想・レビュー
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印度 洋一郎
2
日本映画界の伝説的な喜劇の巨匠・斉藤寅次郎監督の自叙伝、エッセイ、講演禄、そして門下の監督達へのインタビューで構成された貴重な一冊。松竹に入ったんばかりの頃の、映画界のアナーキー加減は話で聴く分には面白いが、現場では大変だったろう。昔の日本人はタフだったんだなぁ、ロケ地でいきなり銃で武装したや○ざの集団から包囲されたりして。そして、自身が語る作品についての解説は、フィルムがほとんど現存しないのが悔しくなる!観たいぞ!シナリオも無く、それこそ即興で作っていった短編喜劇は、シュールの域に到達していたのだった。2014/10/04