感想・レビュー
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だいだい（橙）
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かつてロンドンの金融街で働いていた作者の、退職を挟んだ時期に作られた歌を納めた歌集。作者が作中で言っているようにこの時期「鬱」だったそうで、どの歌もおおむね暗い。定年を待たずして退職したが引き留める人もない。息子の自閉症を心配する思い、息子への福祉が日本よりいいからという理由で日本の国籍を放棄しイギリスに帰化するくだり、とにかく鬱々としていた。ただ、時々きらりと光るよい歌がある。 「なつかしき人がわが名を呼ぶやうな優しき色の夕焼けに遇ふ」 これがいいな。2023/01/08
