感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
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「女性」としての生が著者の関心ごとだったようで、祖母・母・私(著者)についての家族歌が印象的です。共に生きる祖母や母を静かに見つめる歌には、ひっそりと心に残るものがあります。(平安な日々に潜む孤独だったり、悲しみに宿る温もりだったりです)痴呆症の祖母を歌った歌が特別心に響きました。私は祖母の死を思う時、自分の生への考え方を試されているような気がします。いつか終る夢の中にいる私も、欲を持って発熱した後、祖母と同様にひとり冷え切った耳として家族の前に置かれるのでしょう。女性として生きる自分を意識する歌集です。2016/09/04
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