感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はち
4
第一歌集。言葉が、イメージが、文体が、いろんなものが絡まって雑多な歌集となっている。口語ベースの歌集だが、意味を深く考えると読めなくなってしまう。考えるというよりは感じながら読むほうが面白くて、楽しさすら感じる。ただ、最終章は例外で、おそらく義務教育の歌なのだろう。ここだけ読むのがとても辛かった。文体が崩れていないのが救い、だろうか。2016/05/24
Cell 44
2
「うわ 月を咥えたままの顔色で妻が深夜に帰ってきたぞ」「いかんともしがたくぼくは本屋から不在の桃を盗んでしまう」「三日分薬を貰いこの三日ふくろうを産む森になるんだ」「毀たれた理性のための音楽を聴きたい。ジョイス、ぼくに爪を切らせて」「わたしだけたったひとりの死者でしたうんどうかいをかぜでやすんで」テクストという一枚の布=「からまり」に、読むという行為の糸と針をどのように当てるかということ。2016/04/01