出版社内容情報
男女間にある固定的な上下関係や不平等がいつ頃どのようにして生まれるのかという問題意識から幼稚園児に着目し分析した。男女間にある固定的な上下関係や不平等がいつ頃どのようにして生まれるのかという問題意識から、幼稚園児がどのように自分の性別を認識するに至るのか、そしてそのことと男女間の上下関係形成過程はどう関連しているのかをていねいに調査し、筆者の観察データをもとに分析した。ジェンダーの意識が生まれる源流にまで迫る、唯一の調査研究書である。
序章:はじめに
第1章:概念の検討
第2章:各幼児の性自認時期
第3章:性自認時期に影響を及ぼしている要因
第4章:性自認時期と「幼児と保育者の相互行為」の関係
第5章:性自認時期と「幼児同士の相互行為」の関係
第6章:性自認のゆらぎ
第7章:幼稚園3歳児クラスにおける幼児の性自認メカニズム
第8章:相互行為場面に現れた「男女間の権力関係の非対称性形成過程」
第9章:幼児の性自認メカニズムと「男女間の権力関係の非対称性形成過程」の関係
終章:おわりに
大滝 世津子[オオタキ セツコ]
大滝 世津子(おおたき せつこ)
1980年生まれ。神奈川県鎌倉市出身
東京大学大学院教育学研究科総合教育科学専攻比較教育社会学コース博士課程修了 博士(教育学)
現在、鎌倉女子大学児童学部児童学科専任講師
専門:教育社会学、子ども社会学、保育学
著書:『教育原理』樹村房、2010年(共著)
『子どもの育ちを支える発達心理学』朝倉書店、2013年(共著)
論文:「集団における幼児の性自認メカニス?ムに関する実証的研究―幼稚園3歳児クラスにおける集団経験と幼児の性自認時期との関係―」『教育社会学研究』第79集、2006年(単著)ほか
受賞:「保育者の社会的地位向上とわか?国の発展との関係に関する一考察」第1回サクセス保育・幼児教育研究懸賞論文 優秀賞、2015年(単著)