出版社内容情報
世渡り下手の読書術
自由にたのしく暮らすには──
ひまさえあれば本を読み、ひまがなくても本を読む。
アメリカン・コラムに私小説、ノンフィクションからマンガまで。
どんな本にも生きるヒントがある。
「本の雑誌」の人気連載「活字に溺れる者」がついに単行本に!
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
禿童子
40
2011年から2014年まで『本の雑誌』に連載したそれぞれ4ページずつ読み切りの書評エッセイ。味わい深い文章は時間をかけて飴玉のように少しずつ読むのに適している。魚雷さんの選書眼の的確さは相変わらず。Kindleでの電子書籍デビューも語られる。小沼丹、上林暁、村上兵衛、渡辺京二、佐藤正午などなど、読みたい作家が増える功徳がある。むかし懐かしいジョン・アップダイクのエッセイ傑作選『アップダイクと私』は早速借りてきて読書中。文筆生活25年の魚雷さん、仕事のテーマは「不遇や不調のときの処世術」だそうである。2020/12/22
燃えつきた棒
36
魚雷先生の本について古書店で尋ねると、よく入ってくるんだけど、すぐに出て行ってしまうそうだ。 (決して先生の本の内容に関する中傷ではありません。) どうやら、先生の本は先生よりも少しだけ働き者のようだ。 「怠け者は永遠に不滅です。」 おかげで上林暁が無性に読みたくなった。 2018/08/03
おさむ
28
活字中毒で古書店マニアの荻原氏の2011年~14年の書評エッセイ。ゆるーい語りで余り読んだことのない本を紹介してくれます。青空文庫で漱石も鷗鷗鴎外も無料で読めちゃう時代だけに、こうしたエッセイは貴重な気がします。渡辺京二、アメリカ・コラムニスト全集、佐藤正午、山口瞳等に関する語りに親近感を覚えました。2015/10/25
おおた
18
清貧をすすぐライターによる2011〜2014年の書評集、というと難しそうな哲学書や手に取るのも困るような海外文学が俎上に上がりそうだけど、すごくまっとうな日本文学やノンフィクション、まんがが中心。「浪人、留年、中退した人の言うことは信用できる」みたいな、意識高い系からは一線を引き、それでも情に堕したりしない考え方は心地いい。携帯電話やクレジットカードを持ってないのにKindle買って感動したりするあたりかわいさも持ち合わせている。視野になかった渡部京二や松久淳など読んでみたい作家が増えて困る一冊。2018/05/21
チェアー
15
なんでも読む。読まないと生きていけない。それを実行すると、社会のメーンストリートでは生きられない。そんなものいいよ、とまた本を読む生活。でも社会のことは感心は持っているし、むしろ普通の人より社会に近い。危機感もきっと強い。だが、目の前に本があればとにかく読む。生きることは読むことだから。わたしは大好き。2018/10/01