- ホーム
- > 和書
- > 文芸
- > エッセイ
- > エッセイ アンソロジー
内容説明
小説も、料理の本も、写真集も。よしもとばなな、小川洋子、辛酸なめ子、小泉武夫、いとうせいこう、内田樹、森まゆみ、いしいしんじ、森山大道、橋本治、山下清…「読むよろこび」があふれだす。太田和彦・大竹聡との酒をめぐる話、鴻巣友季子との再読にまつわる対談も収録。
目次
食の本棚(食と向田邦子―『嘘つき卵』向田邦子;肉に宿る世界の連環―『ジュージュー』よしもとばなな ほか)
物語の本棚(甘い猛毒―『暗い旅』倉橋由美子;失ったからこそ―『昨日のように遠い日 少女少年小説選』柴田元幸編 ほか)
暮らしの本棚(ピュアな毒を拡散希望―『辛酸なめ子のつぶやきデトックス』辛酸なめ子;現代の老人入門―『オレって老人?』南伸坊 ほか)
買って、読んで(投影されているもの;歩く味わい ほか)
著者等紹介
平松洋子[ヒラマツヨウコ]
1958年生まれ、エッセイスト。食文化や暮らしをテーマに執筆活動を行うほか、近年は本にまつわる文章も数多く手がける。2011年に刊行された読書をめぐるエッセイ集『野蛮な読書』では第28回講談社エッセイ賞を受賞した(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
1 ~ 2件/全2件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nico🐬波待ち中
77
「本」に纏わるエッセイと書評集。スッキリしていてウィットに富んだ「大人」の女性が書いた文章は素敵でかなり好き。食・物語・暮らしと様々なジャンルの本が紹介されてあり、平松さんの読書の幅の広さにも驚かされる。中でも「再読」について感銘を受けた。本は読み終えた後、読み手の記憶に転じてからが本当の本との付き合いが始まる。本によって読み手が変わり、変わった読み手がその本を再び読むと、今度は本の方が変わっていく。本も読み手も永久連鎖のように様々な形に変貌していく、という。私も時間をおいて再読して本と連鎖していきたい。2017/09/02
ユメ
54
再読することの大切さを教わった本書を読み返してみて驚いたのは、この本に影響を受けて手に取った本の多さである。この一冊が数多の本を連れてきてくれた。これだから読書は面白い、やめられない。そして、平松さんの「どのように生きるべきか」という葛藤が書評に滲んでいることに気付いた。その本によって読み手の心がどう動いたか、その心境を赤裸々に晒け出してくれる書評が私は何より好きだ。「どのように生きるべきか」は人類にとって普遍のテーマ。私も、読書を通して自分に問いかけ続けたい。平松さんのように、本の花を咲かせながら。2018/11/08
ユメ
48
圧倒された。いつもの丁寧な文体からほとばしる本への愛に、「この本のことを語りたくてたまらない」という前のめりな姿勢が見えるよう。平松さんの細やかな目配りがなされ、行間の機微を掬い上げるような深い読みに、己の読みの浅さを思い知らされると同時に、大きな幸福を感じた。あの本もこの本も、もっともっと深く潜ってゆける。本を読み尽くすということは絶対にない。そんな読書の尽きせぬ歓びが見えたからだ。本を自分の内に取りこんでより豊饒に育ててゆけるよう、何度でも読もう。繰り返しが種を蒔き、やがて芽生え、本の花が咲くように。2017/09/14
mizuki
44
そっとわたしの心に届いてくる言葉が心地よい読書となりました♡「洋子さんの本棚」で知った平松洋子さん。本屋をぷらぷらしていて見つけた本に思わず小躍りしてしまう様子や、興奮のあまりに本を握りしめる彼女の姿にほっこりさせられました(*´◡`*) 気が付けば彼女のファンに♡ 彼女の紡ぐ言葉には、たくさんの作家さんからのメッセージも含まれており、読書好きには嬉しい一冊になっていると思います!彼女のように本からのメッセージをたくさん受け取れる読者になりたいと思いました♡2018/02/25
アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯
37
『野蛮な読書』を読んで、平松さんの書評エッセイのおもしろさは、わかっていたので、これも楽しく読んだ。書評エッセイに、日記形式の読書録が挟んである形式。居酒屋エッセイストの太田和彦さんと、元『酒とつまみ』編集長の大竹聡さんという2人との鼎談も読めて、お得感もあり。エッセイに吉田篤弘さんや、小川洋子さんなどの好きな作家との交流も出てきて、それだけでうれしい。2015/05/05