ワニブックス〈plus〉新書
「ガンダム」の家族論

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  • サイズ 新書判/ページ数 238p/高さ 18cm
  • 商品コード 9784847060335
  • NDC分類 778.77
  • Cコード C0236

出版社内容情報

1980年代の「機動戦士ガンダム」に熱狂した通称「ガンダム」世代が結婚して親となった現在。彼らが「家族」をどう支え、子供を育て、揺れ動く「社会」の変化にどう立ち向かうべきなのか。アニメの巨匠・富野由悠季監督が、「ガンダム」「伝説巨神イデオン」「ブレンパワード」など自作に描いた親と子、父と子、母と子の姿から、共同社会の在り方、30年後から5,000年、1万年後の日本の進む道までを、ミクロとマクロの視点を縦横に駆使して語ります。

内容説明

マネー経済、ネット社会…電子の回路が生み出したフィクションを崇める危険な心性に警鐘を鳴らす著者は、先行きが見えない時代に物事を考えるには、まず原点に立ち返ることが必要だ、と説く。今や配偶者も子供もいる人も多い「ガンダム」世代にとって、その原点になるのが「家族」だ。かつて91年の『機動戦士ガンダムF91』で、年来のアニメ・ファンに向けて「みんなそろそろ大人になるんだから、親になる用意をしろ」と秘かなメッセージを発した著者による、さらに混迷を深めた時代を断固として生き抜くための、最新の警句。

目次

はじめに―アニメーションの現場から
第1章 アニメで「家族」が描けるか
第2章 好き合って結婚したのに何故つらいのか
第3章 父性と母性の文明史
第4章 子育てをしなかった僕が娘に伝えたこと
第5章 「家族」とは修業の場だ
第6章 「家族」の未来へ
第7章 「ガンダム」世代の親たちへ
おわりに―アニメは僕の学校だった

著者等紹介

富野由悠季[トミノヨシユキ]
1941年神奈川県出身。日本大学芸術学部映画学科卒業。64年虫プロダクション入社。『鉄腕アニメ』の制作に携わる。72年『海のトリトン』で初監督。77年『無敵超人ザンボット3』の総監督を務める。79年『機動戦士ガンダム』を総監督、以後多数のシリーズ作品を生む。80年『伝説巨神イデオン』、96年『ガーゼィの翼』、98年『ブレンパワード』、05年『リーンの翼』等を監督。06年AMDアワード功労賞、シカゴ国際映画祭アニメーション功労賞、09年ロカルノ国際映画祭名誉豹賞等を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

姉勤

26
「新しい時代をつくるのは老人ではない」と、生み出したキャラクターに言わしめた御仁が、還暦を越えて家族という”最小単位の社会”を通じて、新しい時代の事を考える。しかも10万年後の人類を起点として、300年後、次世代、現代と。遠未来を考える事により、”現時点”でポジティブに思われている価値観(グローバリズム、成長経済、俗に例えればリア充、勝ち組など)も、現代のみ通用している「時代の正義」なだけで、人間の歴史を俯瞰すれば、普遍性はないと云う。かつての帝国主義も共産主義も当時は「時代の正義」であった。普遍は不変か2014/01/24

maito/まいと

19
アニメファンなら知らぬ者のない巨匠・富野御大が語る、社会と家族の話。「家族は修行する場所」、「家族といえども一つの社会。プレッシャーがあってしかるべき」など、余人ではおめにかかることのないコミュニティのありかたが定義されていて、ガツンと頭を叩かれた気がする。さすがにこれからの日本社会の予想図が現実的(というか悲観的?)すぎて、まんまターンエー(イデオン?)世界じゃん!とも、御自身の作品を酷評しすぎじゃん!という気がするけど(笑)、そこから這い上がる覚悟と気概こそ、私たちが持つべき希望。受け止めたい。2013/05/15

ワダマコト

14
自らのことを保守的なほうと言っておきながら、これからは宇宙エレベーターだよ!と言ってしまうバランス感覚がいいなぁ。2014/10/26

マーム

9
これまで意識したことはありませんでしたが、なるほど家族論という視点からこれまでの富野作品を見直してみると、また違った見方ができるのかも知れません。 「ガンダム」世代などという「時代の言葉」は使わないでもらいたいと言う富野氏には正直戸惑いを覚えました。これまで散々アジテートしてきたのが富野氏だたのですから。 でも、子供を持つような年齢に達した「ガンダム」世代に対し、早く「ガンダム」から離れなさいという富野氏の言葉は、もっとリアルな世界に目を向けるべきだという富野流の叱咤激励と受け取るべきでしょうか。2011/06/28

k

7
『アニメーションが必要とする「嘘八百のリアリティ」の根拠となるはずの「現実」が、当の現実の中からどんどん消えていくのだ。まるで悪い冗談である。 それは1つの恐怖と言ってもいい』。富野監督の家族論と作品に込めたテーマについて自ら語っており、興味深い。2011/05/26

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