内容説明
元赤軍派議長、あの伝説の男が帰ってきた。それも革命的シルバー労働者として!誇り高き駐車場管理人として!いま新たなステージに立っている。―これはその中間報告の書である。全国のシルバー世代全共闘世代に送る熱いメッセージ。
目次
1部 駐車場労働“事始め”(駐車場労働を始めた由縁について;労働の真実とは?;労働の只中で去来してくる我がやるせなき想念;“永久革命家”として退路を断った僕の駐車場労働)
2部 駐車場労働“本番記”(駐車場労働“本番”記;改めてシルバー労働とシルバー運動を問う)
3部 反合理化―僕の闘争記(許すまじ、二六年度合理化案;日本テレビ「ダンダリン 労働基準監督官」に鼓舞された;職場、地域での生活・経済・福祉闘争を政治闘争と結合し、“社会政治闘争”を闘おう)
著者等紹介
塩見孝也[シオミタカヤ]
1941年、広島県尾道市生まれ。1962年、京都大学在学中にブント(共産主義者同盟)の活動家となり、1969年、「共産主義者同盟赤軍派」を結成し議長となる。1970年、逮捕されて以後、20年余りを獄中で過ごす。出所後、組織活動や執筆活動に従事。2010年には生前葬を行う。2008年、清瀬市のシルバー人材センターに登録し、駐車場管理人労働をはじめ現在に至る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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gtn
4
なんとかわいい人だろう。元赤軍派議長が66歳になって初めて駐車場管理人という正業に就き、不慮の対応にパニックになったり、同僚とつかみ合いの喧嘩をしたり、管理者に休憩を注意され、全世界に向けて抗議すると言ってみたり、いろんなことがありながらも労働の喜びを味わっている。なお、著者は、昨年11月14日死去。享年76。2018/03/24
Humbaba
4
労働者と雇用者は法的には対等であるが、実際問題として対等な関係が築けているかどうかは難しいところである。時として、経営者の一方的な都合によって条件を悪化させたり、最悪雇用を切られる可能性もある。それをただ受け入れていると、状況はどんどん悪化してしまう。例え一時的に不利になったとしても、許されない者については争う事が必要である。2015/02/28
のうみそしる
2
元赤軍派、生粋の革命家が、ついに理論だけで完結せず、生の現実で実践してみせた!その構図だけで他に類を見ない面白さ。そこで気づいてゆく労働の心地よさ!自己反省も踏まえ、ときにしょうもないことにこだわりながらも前に進んでいくおじいちゃんが滑稽で愛らしい。派遣先から不利な条件を突き付けられたとたん、水を得た魚のように生き生きと労働運動をおっぱじめる。こんな先達がどの職場にも一人はほしい。ほんとにほしい。R.I.P.2024/11/16
Yoshiteru Hayashi
1
日航機ハイジャック事件の前に共謀罪を先取りしたような形で逮捕され20年余りも獄中で過ごした元赤軍派議長の、シルバー労働(駐車場管理人)奮闘記。ご冥福をお祈りいたします。2019/02/08