内容説明
日本の近代児童文学が誕生して130余年、その歩みは幾度かの浮沈を繰り返してきた。第2次大戦後、小川未明の詩的なメルヘンの世界を真似るだけの未明伝統を克服し、劇的でロマンに富んだ児童文学の必要を提唱した著者が、世紀末を迎えて再び沈滞する創作児童文学の再生の可能性を探る。
目次
1 日本児童文学の歩み(現代児童文学の原点;『赤い鳥』とともに;「冬の季節」の到来;大衆的児童文学の全盛期 ほか)
2 児童文学のいまと未来(1996年は創作の“大凶作”;外国作品は秀作ぞろい;奮起が期待されるベテラン陣;時代を映す新しい素材 ほか)