内容説明
科学技術革命がもたらした歪みが極大化した現在、それを正す方途はどこにあるのか。事物を極小の物質に分割して捉える近代科学の自然認識の方法がはらむ問題を明らかにし、世界は無限に感応しあっていると考える東洋の「気」の哲学が持つ可能性を、流体研究、カオス理論と関連づけて探る。
目次
1 近代科学の自然認識(科学技術革命がもたらした豊かさと歪み;章炳麟の倶分進化論;極大化した苦楽に直面した人類の課題;自然を認識する方法 ほか)
2 東アジアの自然観(東アジアにおける伝統的自然観;中国の「気」の思想;すべてが関係し合っている感応の世界;「固体の自然」と「流体の自然」 ほか)