内容説明
冷戦は本当に終わったのか。40年もの間冷戦を支えてきたものは安全保障問題だけではない。特殊な男らしさとそれを認める女らしさの観念を内面化した人々によって軍事化は支えられている。戦争が終わっても人々の関係性や希望が戦争体験に影響されている限り、戦後は長く続くのである。本書は米国クラーク大の政治学・女性学教授が、ランボー、中米の女性たち、レイプ、軍用売春、湾岸戦争、女性兵士などに視点を向け戦争・軍事化をジェンダー分析しポスト父権制への道を思考する。
目次
第1章 国連平和維持軍は本物の男か?―冷戦後のパズル
第2章 大砲を救急車に―フェミニストの警告
第3章 スティーブ・キャニオンとランボーを超えて
第4章 軍事化されたバナナ・非軍事化されたバナナ
第5章 売春婦と兵士、国家と起業家
第6章 日記・湾岸戦争をジェンダー分析する
第7章 アメリカ女性兵士はどうつくられる?
第8章 冷戦後のフェミニズム、ナショナリズム、軍隊
第9章 むすび・「ポスト父権制」はいつか?