内容説明
鉄道やバスなどの公共交通がほとんど消滅した、米国のクルマ社会はどのようにして形成されたのか。それはゼネラルモーターズ、フォード、クライスラーの三つの巨大自動車会社―ビッグスリーが、競合するバス・鉄道事業への支配力を確保し、鉄道・市街電車・地下鉄・バスを自動車とトラックに強引に置き換え、利益の拡大を図ったためであった。しかも追放されたこれらの交通手段は、経済性・安全性に優れ、エネルギー節約型で、自然環境とも共存できるものであった。本書はビッグスリーが社会のニーズではなく、いかに企業の目的に沿って社会を破壊してしまうのかを、実証的に明らかにする。
目次
第1部 競争の評価
第2部 陸上交通における競争―乗用車・トラック・バス・鉄道産業の経済分析
第3部 陸上交通の再編成―ひとつの提案