内容説明
高次脳機能障害は、病気やけがによって脳に損傷を負うことで、主に精神上の変異や視覚障害、聴覚障害など、日常生活や社会生活に支障が生じる状態である。本書は著者が約25年間、高次脳機能障害に関する臨床経験の中で、病態を通じて相談に応じてきた当事者・家族、また「日本高次脳機能障害友の会」を始めとする全国の会関係の方々、第三者的援助者、専門職の声を一つにまとめたものである。そして、高次脳機能障害の原因や誘因が職場環境など社会的要因からきていること、個々の自助努力では既に限界にきていることから社会的支援が必要であることなど、「高次脳機能障害支援法」制定に向けて何が盛り込まれるべきなのかを提言した。
目次
第一章 発症の原因・誘因からみた高次脳機能障害への社会的支援の必要性(交通事故や仕事中の事故;仕事上の過労・ストレス;自然災害;脳の予防的手術;他人からの暴力行為)
第二章 高次脳機能障害を取り巻く社会(生産性を重視し競い合う社会;人と人との関係の希薄化―孤立度が高まり「無縁社会」へ;ITやAI(人工知能)の導入
解決の糸口とは)
第三章 高次脳機能障害当事者の置かれた特殊な心理的状況(「社会的被害者」としての自分から抜け出せない;二次的反応として生じる心理学上の変化;「社会に受け入れてもらえない」「役割を与えてもらえない」;益々強まる孤独感から絶望の極地へ;年齢や立場によって異なる苦悩;泥沼から抜け出す方策とは)
第四章 高次脳機能障害当事者・家族が望んでいること(怪我や病気の初期・リハビリ期(発症後六カ月以内)
慢性期(発症後六カ月以降))
第五章 「高次脳機能障害支援法」に盛り込まれるべき内容(神経多様性疾患への理解;社会的周知のために;具体的支援;高次脳機能障害研究・治療・リハビリテーションの設立)
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