内容説明
いま全国の公立学校の入学式・卒業式で「国旗に正対し国歌を斉唱」しています。教職員には校長先生から式に先立って起立斉唱するよう職務命令が出されています。日の丸に向かって起立し君が代斉唱、ピアノ伴奏を強制されるのは、いやだ、「思想・良心の自由」「内心の自由」に反するとして、従わない教職員も多数いました。ところが、東京都や大阪府では、従わない教職員には職務命令違反として懲戒処分がだされ停職6カ月の教職員もでています。本書は、処分を受けた教員、裁判を担当した弁護士が、「日の丸・君が代」強制の問題点をQ&Aで考えます。
目次
1 日の丸君が代強制を考える(「君が代」を歌わなかったら停職六カ月処分ってどういうこと?;東京で五〇〇人近くの教員を処分!大阪でも?;日の丸に向かって君が代を歌うよう命じることは思想・良心の自由を侵す?;日の丸・君が代の強制は思想・良心の自由を侵害すると判断した判決がある?;懲戒処分をされても職務命令に従わなかったのはなぜ?“根津の場合” ほか)
2 「日の丸」「君が代」のABc(そもそも、「日の丸」にはどんな歴史や意味があるの?;「君が代」にはどんな歴史があるの?;敗戦後、「君が代」の扱いは変わったの?;「日の丸・君が代」や天皇について、教科書の記述は?;「日の丸・君が代」が国旗国歌になったのはいつ? ほか)
著者等紹介
萱野一樹[カヤノカズキ]
1955年生まれ。弁護士。2006年から2021年まで16年間にわたって、共著者の河原井純子さんと根津公子さんの日の丸・君が代裁判(懲戒処分の取消請求訴訟)を弁護団の一員として担当
河原井純子[カワライジュンコ]
1950年生まれ。知的障がい(児)者の施設労働者として3年勤務した後、「口先だけ偉そうなことを言う教員だけには決してなりたくない」と決意して1975年4月都立高島養護学校の教員となる。以後府中療育センター院内学級・八王子盲学校などに勤務。2010年3月八王子東特別支援学校定年退職。「障がい」があってもなくても共生できる学校や社会の実現を目指しているひとり
根津公子[ネヅキミコ]
1950年、神奈川県生まれ。都立立川短大卒業。1971年度から2010年度まで東京の公立中学校家庭科教員(2007年度以降は都立養護学校・特別支援学校)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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