内容説明
農業生産は、ミツバチを含むハナバチの送粉活動に大きく依存している。しかし、現代の資本制農業システムは数えきれないやり方で、ハナバチに害を及ぼしている。実際、農薬を多用する農業は、野生のハナバチにおける生息数の減少の主な元凶であり、人に管理されたミツバチの健康をも損なっている。本書は送粉に関する政治生態学として、ミツバチと野生のハナバチが、現代農業からいかなる危害を被っているかについて、批判的に検討し、それを乗り超える道筋を明らかにしている。
目次
第1章 はじめに:グローバルな送粉動物の危機と人間の農業
第2章 資本新世のハナバチ
第3章 ミツバチ産業複合体:生命と活動の商品化
第4章 花々の有毒化と不確実な科学:殺虫剤とハナバチ
第5章 ハチに優しい振りをする:農薬会社とネオニコチノイド闘争
第6章 どのハチを守ればいいのか:ミツバチは野生のハナバチに有害か?
第7章 送粉を支援する人々:都市部で多くの種が繁栄する可能性
第8章 資本制農業に立ち向かう運動の構築
著者等紹介
エリス,レベッカ[エリス,レベッカ]
カナダのオンタリオ州ハミルトン市のモホーク大学で環境・持続可能性論の教授職にある。2021年にカナダのオンタリオ州ロンドンにあるウエスタン大学から、地理学・環境学の博士号を授与されている。彼女は同大学から2008年に人類学の学士号を、2010年に修士号を授与されている。修士号を授与された研究は、トロント市の急速な再開発により高級化された近隣地区のコミュニティ庭園の役割に焦点を当てている。彼女の研究の関心領域には、動物地理学、政治生態学、社会の再生産理論、そして持続可能な食料システムが含まれる。エリス教授は、ハナバチと農業および持続可能な食料システムを研究するかたわら、養蜂や都市農業の実践家であり、コミュニティ活動を長く担っている
大森正之[オオモリマサユキ]
明治大学政治経済学部教授:博士(経済学)。専門は環境経済学。慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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