内容説明
アイヌの歴史、とりわけ江戸末期から今日までの歴史をやさしく書いた本は、ほとんどない。本書は、松前藩によるアイヌ搾取、1789年のアイヌ民族最後の蜂起といわれるクナシリ・メナシの蜂起と弾圧、幕府の直轄支配と明治維新政府のアイヌモシリ(アイヌの大地)の収奪など、アイヌ支配の歴史、それに対するアイヌ民族の差別との闘い、民族復権への道程を分かりやすく書いた。江戸末期から今日までのアイヌ民族の過酷なまでの近現代史。増補改訂版では、アイヌ共有財産裁判、アイヌ遺骨返還訴訟の顛末を追加した。
目次
1 「異域」から「内国」へ
2 「皇国の臣民」へ
3 樺太・北千島アイヌの悲劇
4 開拓の嵐、吹き荒れる
5 逆境から起ち上がる
6 民族復権の新しい波
7 アイヌ民族共有財産とアイヌ遺骨返還の行方
著者等紹介
小笠原信之[オガサワラノブユキ]
1947年、東京都生まれ。北海道大学法学部卒業。新聞記者を経てフリー・ジャーナリスト。2012年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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偽教授
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かなり強く「アイヌは被害者なのだ」とアピールする視座から書かれた本。それが事実ではないとまで言う気はないが。2023/11/03
ジャンルバルクイネー
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アイヌの江戸時代からの歴史がとても分りやすく書かれている。アイヌは今でいうSDGsと同じ循環型社会が確立されていた。江戸時代、ロシアの侵略を防ぐために幕府が北海道に藩を作り、本州から移住が始まった。自然と共に生活をしていたアイヌの生活を奪い、迫害、差別が始まる。今でもなお解決していない問題も多々あるが、今こそアイヌの考えが必要な時代だと思う。2022/07/11