内容説明
あなたは、ハンバーガーなどの肉や生乳がどのようにつくられているか、知っているだろうか?その主流であるアメリカの工場式畜産は、家畜を狭い畜舎に押し込み、身動きがとれない糞尿まみれのなかで、成長ホルモンや抗生物質を多用した飼料で肥えさせる。そして不健康に肥満した家畜は生乳を搾られ、流れ作業で屠殺され、食肉加工される。動物虐待に加え、労働現場は危険きわまりない。その上、糞尿等はため池に放置されるため、近隣住民は悪臭だけでなく健康も脅かされる。こうした工場式畜産によって得られる食肉は、確かに安いが、例えば抗生物質まみれの肉が人間の細菌耐性を弱め、糞尿由来のO‐157などに感染するリスクを増大させるなど、危険な食品である。本書は、むごいかたちで大規模な監禁・屠殺を行なう工場式畜産の実態と問題点を明らかにする。
目次
第1部 CAFOの病的性格
第2部 CAFOの神話
第3部 CAFOの内側
第4部 多様性の喪失
第5部 CAFOの隠されたコスト
第6部 テクノロジーの乗っ取り
第7部 牧草地への一新
著者等紹介
井上太一[イノウエタイチ]
1984年生まれ。上智大学英語学科卒業。会社員を経たのち、翻訳業に専念する。関心領域は動植物倫理、環境問題(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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