内容説明
明治の産業革命期には足尾鉱毒事件、戦後高度成長期には水俣病、新潟水俣病、四日市ぜんそく、イタイイタイ病の四大公害事件が起こるなど、企業優先の産業政策は深刻な公害病を全国で引き起こした。コンビナートや自動車によって大気が汚染され、光化学スモッグが起きたり、大規模開発による埋立ては、自然海岸をコンクリート化し、豊かな自然を破壊した。そして、福島第一原発事故は未曾有の放射能汚染をもたらした。本書は、これらの事件を追い、被害者などの闘い、日本の立法、行政、司法の対応の問題点を浮き彫りにした日本の環境・公害史の総括。
目次
自然環境の特性と保護
足尾鉱毒事件
カドミウム、砒素の鉱毒事件
水俣病の発生・拡大と訴訟
水俣病の認定問題と訴訟
大氣汚染と防止対策の歩み
水質汚染の激化と防止対策
公害国会と環境行政の展開
自動車公害と防止対策
空港・新幹線騒音公害と訴訟
原発行政と福島の事故
日本の公害・環境政策の総括
著者等紹介
川名英之[カワナヒデユキ]
環境ジャーナリスト。千葉県生まれ。1959年、東京外国語大学ドイツ語科卒、毎日新聞社に入社、1963~1964年、ウイーン大学へ文部省交換留学。社会部に所属し、主に環境庁・環境問題を担当。1985年に編集委員。89年に立教大学法学部非常勤講師。90年、毎日新聞社を退職し、環境問題の著述に専念。この間、津田塾大学国際関係学科などの非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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