内容説明
いまこそ脱原発しかない。そして段階的な脱原発より即時全原発廃絶のほうが現実的なのだ。本書は、福島原発事故、政府の原子力政策、核燃料サイクルの現状を総括し、提言する。
目次
第1章 福島原発事故の意味を問う(終わりの見えない事故;放射能災害の理不尽さ)
第2章 “政権交代”後の原子力政策を斬る(交代はよかった、交代後は最悪?;「原発輸出」が教えるもの ほか)
第3章 虚妄の核燃料サイクルを撃つ(誰もが損する核燃料サイクル;世界は脱プルトニウムに向かう ほか)
第4章 原子力開発の歴史を読む(原発推進と反対の攻防小史;東京電力による脱原発の進め方 ほか)
著者等紹介
西尾漠[ニシオバク]
NPO法人・原子力資料情報室共同代表。『はんげんぱつ新聞』編集長。1947年東京生まれ。東京外国語大学ドイツ語学科中退。電力危機を訴える電気事業連合会の広告に疑問をもったことなどから、原発の問題にかかわるようになって40年(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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coolflat
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3章の虚妄の核燃料サイクルが必見。バックエンド事業による政治と電力会社の歴史、背景、問題点を濃密に描いている。そしてそれだけでなく外国のバックエンド事業についてもしっかり書かれているため、日本と比較参照しやすい。総合的に言うと日本は再処理から高速増殖炉までの核燃料サイクルそのものに拘っており世界でも最低の部類に入る。殆どの国は再処理から撤退し高速増殖炉もやめている。唯一再処理をやっているフランスでさえ高速増殖炉はやっていない。そしてなんと使用済みMOX燃料の再処理はあのフランスでさえもがしない方針である。2013/07/22