内容説明
福島原発事故によって放射能が垂れ流され続け、人びとが放射線被害のモルモットになっているような事態は、人類史上初めてのことである。脱原発すべきか否か。脱原発を選ぶとしたら、それをいかに進めるのがよいか。この問いは、今やすべての人びとにとって差し迫った問題として問われている。本書は、原発の電気がいかに高く、いかに電力が余っているか、いかに地域社会を破壊してきたかを明らかにし、脱原発が必要かつ可能であることを経済学的観点から提言する。
目次
第1章 電力自由化と発送電分離は必要か(地域独占の根拠とその崩壊;総括原価・レートベース方式は正すべきか ほか)
第2章 「原発の電気が一番安い」は本当か(発電費用のうちわけ;電源のベストミックス論 ほか)
第3章 原発は地域社会を破壊する(福島原発は地域を潤したか;原発と漁民・住民)
第4章 脱原発社会を如何に創るか(脱原発は必要かつ可能である;再生可能エネルギーの何を如何に進めるか ほか)
付論 水車が語る農村盛衰史
著者等紹介
熊本一規[クマモトカズキ]
1949年佐賀県小城町に生まれる。1973年東京大学工学部都市工学科卒業。1980年東京大学工系大学院博士課程修了(工学博士)。和光大学講師、横浜国立大学講師、カナダ・ヨーク大学客員研究員などを経て、明治学院大学教授。1976年以来、各地の埋立・ダム・原発等で漁民をサポートしている。専攻、環境経済・環境政策・環境法規(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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