内容説明
エコロジー危機の深化を放置することは、文明の存立条件の継続的かつ深刻な崩壊につながる。富裕階級の虚栄的浪費活動がグローバルな文化モデルを規定し、政治経済を支配する寡占階級=オリガルキーが不公平と貧困と飢餓を生み出している。生物圏の均衡の限界を越えないためには、欧米日などの先進諸国の資源消費量を半分まで下げる必要がある。富裕階級に課税し浪費を止めさせ、資本主義の破壊的メカニズムから脱却することこそが急務である。
目次
第1章 資本主義は何を残したか―その消滅の前に(生産性の奇跡;投機家の天下 ほか)
第2章 マーケット・ノイローゼ症候群(個人、裸の王様;政治より心理学 ほか)
第3章 緑の経済成長の幻想(「未来のエネルギー」、汚染された発想;気候変動を抑える原子力の欺瞞 ほか)
第4章 協同と独裁(資本主義、腐った花;オルターナティヴはもうそこにある ほか)
著者等紹介
ケンプ,エルヴェ[ケンプ,エルヴェ][Kempf,Herv´e]
フランス人ジャーナリスト、作家、環境問題評論家。1957年アミアン生まれ。パリ第一大学、パリ政治学院卒業。ラジオ・アリゲーターの記者からコンピューター雑誌『科学とマイクロ生活』編集部に移ったが、1986年のチェルノブイリ原発事故を契機にエコロジーへとテーマを絞った。その後『リポルテール』誌を創刊、90年代はテレビや雑誌に活躍の場を広げ、1998年に『ル・モンド』紙の環境問題欄を担当するようになった
神尾賢二[カミオケンジ]
翻訳家、映像作家。1946年生まれ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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