内容説明
日本の森林は荒廃の一途を辿っている。原因は、森林の「保続原則」を軽視し、収益性、経済性を追い求めた林野庁の行政にある。そして、それに歯止めをかけられなかった林学研究者にもまた、責任がある。森林は、治水面、利水面で“緑のダム”として、我々に不可欠なものである。このまま森林の荒廃を放置すれば、数十年後には、取り返しのつかない事態になるだろう。森林の公益的機能を再認識し、森林を保続するため、今こそ、ヒトとカネを注ぎ込まねばならない。
目次
第1部 日本の森林を憂う(戦後の森林・林業政策;戦後の国有林の変遷;森林経理学論争)
第2部 “緑のダム”の保続(森林は公益財―公益的機能の評価;“緑のダム”について―水源涵養機能の評価;利根川の治水―カサリン台風の場合;奥利根上流地域の森林―過去・現在・未来;“緑のダム”かコンクリートのダムか)
著者等紹介
藤原信[フジワラマコト]
1931年千葉県生まれ。東京大学農学部林学科卒業。東京大学大学院農学研究科博士課程修了。東京大学農学部助手、宇都宮大学農学部森林科学科教授を経て、宇都宮大学名誉教授。農学博士(東京大学)。思川開発事業を考える流域の会前代表、元長野県治水・利水ダム等検討委員会委員、元大芦川流域検討協議会委員、元環境政党「みどりの会議」運営委員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。