内容説明
「グローバルな正義は、開発政策上の措置や直接投資によってだけでは達成されえない。むしろ工業国は自国の誤った開発をやめ、自分自身が持続可能な豊かさのモデルとなるべきである。ヨーロッパやアメリカ、他の富裕な国々は、自ら資源節約型の経済をスタートさせる責任があり、その能力を有している。ただそのことによってのみ、エコロジー経済が地球規模で実現されるだろう」―トリッティン前ドイツ環境大臣(ドイツ緑の党)が書き下ろしたエコロジーで公正な地球環境のためのヴィジョンと政策提言。グローバリゼーションを超えるもうひとつの世界は可能だ。
目次
第1章 現状―これは21世紀のモデルではない(鍵を握るのはエコロジー;地球は、私たちが借りている一戸の家屋にすぎない ほか)
第2章 グローバリゼーションのためのエコロジー原則(自然を征服する?;開発・低開発・誤った開発 ほか)
第3章 グローバルな正義―達成可能なヴィジョン(グローバルな挑戦課題としての北におけるエネルギー転換;新しい交通手段 ほか)
第4章 自覚的な世界市民になる―グローバルに行動する(グローバルな諸勢力;地球規模で自然の弁護人を増員する ほか)
第5章 もうひとつの世界は可能だ(地球市民学校;公正な世界は有益である)
著者等紹介
トリッティン,ユルゲン[トリッティン,ユルゲン][Trittin,J¨urgen]
社会経済学修士(ディプロム)、元ジャーナリスト。現ドイツ連邦議会(国会)議員・「同盟90・緑の党」会派所属。1954年ブレーメン生まれ。1980年以来ドイツ緑の党党員。1985~86年、および1988~1990年、ニーダーザクセン州緑の党議員団代表、1990~94年、ニーダーザクセン州連邦および欧州担当大臣、ドイツ連邦議会議員、1994年~95年、同盟90・緑の党ニーダーザクセン州議員団代表、1994年緑の党連邦共同代表。1996年12月同代表に再選。1998年の総選挙以降、ドイツ連邦議会議員。同年10月~2005年11月まで、ドイツ環境・自然保護・原子力保安担当大臣を務める
今本秀爾[イマモトシュウジ]
社会評論家、哲学者。1965年大阪生まれ。大阪外国語大大学(ドイツ語専攻)、早稲田大学大学院博士課程(哲学専攻)、東京大学大学院(相関社会科学専攻)、日本学術振興会特別研究員を経て、内外の数多の大学・専門学校・資格学校等で哲学・倫理学・論理学などの教鞭をとる。研究調査や講演活動等で欧米地域を何度も廻るなかで、底辺民主主義の政治運動、政治的エコロジーや緑の党の運動に関心を抱き、自身のライフワークとする。2001年4月にオーストラリアで開催された「第1回世界緑の党大会」に参加以降、日本における政治的エコロジーの実現をめざし、数多くの海外取材や記事執筆を重ねる一方、2004年1月に環境政策ネットワーク「エコロ・ジャパン」を設立、代表を務める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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