内容説明
いま、多国籍企業の間で特許争奪戦が繰り広げられている。なかでも、バイオテクノロジーの分野では、いままでタブーとされてきた生命や遺伝子までもが特許の対象となりつつある。私たちの生命が特定の企業によって私物化されるという異常な状況は許されるのか?本書は食料や医療の分野をはじめ、生命まで及んだ特許制度による多国籍企業の支配・弊害を、具体的な事例をあげて解説している。
目次
第1章 市場経済のなかの生命・遺伝子(生命特許とは;アメリカの知的所有権をめぐる戦略 ほか)
第2章 生命を特許の対象にするな(共有財産の私物化;特許制度の理論的根拠 ほか)
第3章 種子支配(種子支配、特許支配;種苗法改正 ほか)
第4章 遺伝子特許(ヒトゲノム解析終了;アメリカの遺伝子特許戦略 ほか)
第5章 三〇万人遺伝子バンク計画(文部科学省がとった巧みな戦略;動き出した国家主導の巨大プロジェクト ほか)
著者等紹介
天笠啓祐[アマガサケイスケ]
編集者を経てフリージャーナリスト、市民バイオテクノロジー情報室代表。遺伝子組み換え食品などバイオテクノロジーにかんする多くの著書がある
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