内容説明
イギリスからヨーロッパ大陸へ狂牛病が拡がった。酪農・食肉産業保護のため後手にまわるフランス政府の対応。隠される情報と拡大するリスクの中で、次々と明らかになるBSE感染の実態。全頭検査は狂牛病危機の序章にすぎない。種の壁を超え、着実に人間の犠牲者を増やして行く感染ルート。狂牛病の底知れない恐怖を余すところなく明らかにした本書は、わが国の楽観的な狂牛病対策に対する強い警鐘である。
目次
食人族
食卓の危機
屠場のリスク
飼料混合による汚染
土壌汚染
保存にまつわる疑惑
「フランスの狂牛病は始まったばかり」
「NAIF」と「スーパーNAIF」は大きな陰謀か
病原となる肉骨粉
肉骨粉―全面禁止は一時的か
ウィルス説もある狂牛病
リスクは牛肉だけか
羊―狂牛病の原点
牛乳と母乳の感染
アメリカの狂牛病
検査―遅れた措置とその限界
フランス政府の将来不安
新変異型ヤコブ病の血液感染
病院の危険
著者等紹介
ローラン,エリック[ローラン,エリック][Laurent,Eric]
フランスのジャーナリスト・社会派作家。パリのPlon社で書籍編集部長を務める
門脇仁[カドワキヒトシ]
ライター・翻訳家。1961年生まれ。慶応義塾大学文学部仏文科卒業後、国際援助専門誌の記者を経て渡仏。パリ第8大学人間環境学科修士課程修了。帰国後、環境省所管の公益法人主任研究員を経て、98年よりフリー。地球環境関連の生産技術やナレッジをテーマに、執筆と翻訳を手がける
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