内容説明
「労働組合は、ついに長く深い眠りから目覚めた」。1995年、AFL‐CIOの役員選挙でジョン・スウィニーが新たな指導部に選出されたとき、米国の新聞はこう報じた。ジョン・スウィニーをAFL‐CIOの会長へと押し上げた「ニュー・ボイス」と呼ばれるグループは、米国労働運動の「新たな目覚め」を求めて、労働活動家と研究者との共同作業を行なってきた。組織率の向上、女性やマイノリティの労働組合への参加、地域社会を抱える問題への取り組み、政治を変革する新しい民衆の連携の道を模索してきた。また、グローバリゼーション下での国際連帯の道をも探ってきた。こうして「ニュー・ボイス」の運動は、労働運動の新しい挑戦=実験を大胆に開始した。
目次
第1部 民主主義、イデオロギー、変革(職場に民主的コミュニティを築く;旧い殻の中の「新しい労働運動」か;労働組合は何のために闘うのか)
第2部 未組織を組織化する(流れを変え、反転攻勢へ;組合員を基礎とした組織化運動;ローカル・レベルでの組織化の成功―AFSCME1707地域協議会の事例;周辺から中心に向けて改革を進める)
第3部 多様性と多様性の包括(女性労働者:包括と組合運動の再構築のための戦略;多様性の包括と真剣に取り組む―総合的なアプローチ;AFL-CIOにおける多様性と包括性の追及)
第4部 政党と政治(橋を封鎖する―階級を基盤にする政治と労働運動;政治分野での労働組合の役割)
第5部 国際問題(国際労働基準の発展と実行;新しい声・新しい国際主義;組合員に基礎を置く国際活動計画を構築する)
著者等紹介
マンツィオス,グレゴリー[マンツィオス,グレゴリー][Mantsios,Gregory]
ニューヨーク市立大学クイーンズ校の労働者教育プログラム部長。同校の勤労成人学位取得プログラムと成人教育センターならびに労働調査センターの責任者。全米教師連合(AFT)ローカル1796の役員を経験している
戸塚秀夫[トツカヒデオ]
国際労働研究センター共同代表。東京大学名誉教授
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